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フィギュア スケート コラム 2021年7月26日

町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 ~スポーツ栄養学~ 早稲田大学 スポーツ科学学術院 田口素子教授

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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M:現場を見て衝撃が走ったということですね。特にスポーツ選手の中でも審美系と言われているような新体操やフィギュアスケーターとか、そういう選手は特に容姿も含めて体重管理が徹底されていて、今はあるのかどうか分からないですけど、キャベツだけで済ませてしまうとか、こんにゃくだけ食べて乗り切って次の練習行くとか、そういう過酷な食生活の中で練習していると聞いて、自分がやったら3日で死ぬなって思った覚えがあります。そういう現場を先生は見られたということですよね。

T:今でこそ食べないことのリスクが科学的にも分かっていますが、当時は分かってなかったので、痩せていれば、体重が少なければ少ないほど良いということで、選手は本当に過酷な状況に置かれていたと思います。それで、一生懸命勉強をして、その後は企業で栄養情報を発信するポジションにいましたが、その間に非常にラッキーなことに、バルセロナオリンピックの陸上競技選手団の専属管理栄養士としてオリンピックに帯同することになりました。これは日本では初めてのケースでした。

M:選手団に栄養士が付くということが初めのケースだったんですね。

T:その時は陸上選手だったので、短距離や投てき、長距離選手など、いろいろな選手たちのサポートをさせていただきました。栄養を整えることで、あるいは選手の自己管理能力のお手伝いをしたことで、すごく選手の体調が良かったということで、すごく評価をしていただきました。それで自信をつけて、もっと過酷な環境で日々トレーニングしている実業団の女子ランナーのチームからお声掛けいただいて、現場栄養士として数年間働いてきました。

国立スポーツ科学センターができたのが2000年。それ以前は本当に試行錯誤と経験則でやっていました。アスリートはどれだけ栄養を摂取すべきかという基準もなかったし、議論する場もなかった。すごく困ったんですが、困ったなら作っちゃおうということで、その後の活動に繋がっていきました。実業団の過酷な練習をする女性アスリートのサポートをやりながら、やっぱり教科書通りにはいかない現実に本当にぶち当たりまして、やはり勉強しなきゃいけないなと強く感じて、30歳になってからスポーツ科学の大学院に進学をしました。その後、国立健康栄養研究所で研究もさせていただきながら、国立スポーツ科学センターができた時に、栄養グループの初代リーダーということで、仕事をさせていただきました。

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