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フィギュア スケート コラム 2021年7月16日

町田樹のスポーツアカデミア 【Archive:フィギュアスケート・ザ・マスターピース】 アダム・リッポン「牧神の午後への前奏曲」(2013年スケートアメリカ):プログラム分析 第1パート

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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重要な振付

重要な振付

この167の動作のうち、《牧神の午後》を解釈していく上で重要となる動作だけを抜き出してみると、19の動作が抽出できることが明らかになります。この重要な19の動作を、更に色々と解釈しながら分析を加えていくと、このプログラムは3つのパートに分けることができることが分かってきます。私がこのプログラムを解釈しやすいように、パートごとにテーマを設定してみました。

まず第1パートは、言ってみれば「牧神の詩的世界へのいざない 情景と役柄の提示」、これが第1パートのテーマです。それから第2パート「夢想する牧神 不在のニンフとの戯れ」。そして第3パートは「牧神の見果てぬ夢 先行作品へのオマージュ」。それぞれのパートにこうしたテーマがつけられるほど、パートごとの特徴があります。

第1パート:牧神の詩的世界へのいざない 情景と役柄の提示

第1パート:牧神の私的世界への誘い

第1パート:牧神の私的世界への誘い

《牧神の午後》への前奏曲という音楽が詩人ステファヌ・マラルメの半獣神の午後という詩の作品から着想を得ているということを言いましたけれども、言ってみれば牧神のそうした詩的世界へ見るものを誘っていくということがこの第1パートの役目です。どういう風に牧神の世界へと見るものを誘っているかと言うと、まずニジンスキーが絵画的バレーを作ったように、リッポンさんもこの牧神の午後の第1パートで二次元の空間構成を意識した振付をたくさん入れています。そして、その二次元の空間構成を意識した振付、その全てが、先ほど確認したニジンスキーの牧神のポーズを多用しているわけです。そうすることで、かつてニジンスキーが絵画的バレエを創作したように、リッポンさんも氷上で絵画的なプログラムを作れるように空間を構成するということと、リッポンさん自身が牧神を演じていることを、見るものに伝えるパートになってくるわけです。

最初の立ち姿、これがまず平面的です。ここからスピードをつけて4回転ルッツという大技に果敢に挑んでいくわけです。この闘志もどこか牧神の野性を感じさせますよね。あの牧神を象徴するポーズを、ニンフ役の女性がすることは絶対にありません。ですから、この振りをパフォーマンスするということは、リッポンが牧師を演じているということを意味するわけです。第1部は大技も交えながら、二次元の空間と、牧神という役柄を演じていることを見るものに伝えるわけです。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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