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フィギュア スケート コラム 2021年4月2日

【レビュー:ISU世界フィギュアスケート選手権2021 男子シングル】 羽生結弦の首位発進とネイサン・チェンの逆転劇、そこに食い込んだのは17歳の鍵山優真 北京五輪シーズンの激戦を予感させる一戦

フィギュアスケートレポート by 野口 美恵
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この2人に食い込む活躍を見せたのが、初出場の鍵山優真。「ミスなくやれば表彰台も狙える」と強気発言で自分を鼓舞してきた。
ショートは4回転2本を含む、パーフェクト演技で2位発進。フリーで3本の4回転をきっちり決め、フリー190.81点、総合291.77点をマークし、メダル確定が分かると、跳びあがって喜んだ。
「僕なんかが最終グループにいて良いのかなと思いましたが、ここまで来たからには日本代表としてやらなきゃと思い集中しました。来季は、もっとしっかりジャンプの調整をして、シニアらしい滑りをしたいです」

また宇野昌磨も4位と、来季の五輪に向けて好位置をキープした。ショートは2本の4回転を降りたもののトリプルアクセルで転倒しての6位発進。フリーは4回転2本を成功させ、フリー3位、総合277.44点での4位となった。現地入り後の調子が悪かった中で、本番は何とか持ち直す演技だった。
「ここに来てからの練習で出せるマックスでした。今後は調整が課題です」

ミハイル・コリヤダ

またロシアの26歳、ミハイル・コリヤダが復活のシーズンとなった。19年に結婚、昨季は持病の手術で休養し、今季は巨匠アレクセイ・ミーシンのもとに移籍。もともと伸びやかなスケーティングとジャンプが持ち味だったが、それが洗練され、ベテランの魅力が光る演技をみせた。フリーでは2本の4回転を成功させ、総合272.04点での5位に。
「ミーシンコーチは僕にとって偉大なメンターです」と語った。

さらに、結婚しまもなく父になるという29歳のキーガン・メッシング(カナダ)も4回転が好調で6位。ブライアン・オーサーのもとで卓越した美しい滑りを磨いた26歳のジェイソン・ブラウン(米国)が7位と、ベテラン勢がそれぞれの個性を伸ばしてきた。また表彰台候補だった4回転ジャンパーのヴィンセント・ジョウは、ミスが多くショート25位で、フリーに進めない悔しい一戦となった。

男子は複数の4回転が求められる一方で、大技に挑む危険性も大きい。それぞれが自分の個性を見極め、来季はさらに強く美しい戦いが見られるだろう。

文:野口美恵

野口 美恵

元毎日新聞記者。自身のフィギュアスケート経験を生かし、ルールや技術、選手心理に詳しい記事を執筆している。日本オリンピック委員会広報としてバンクーバーオリンピックに帯同。ソチ、平昌オリンピックを取材した。主な著書に『羽生結弦 王者のメソッド』『チームブライアン』シリーズ、『伊藤みどりトリプルアクセルの先へ』など。自身はアダルトスケーターとして樋口豊氏に師事。11年国際アダルト競技会ブロンズⅠ部門優勝、20年冬季マスターゲームズ・シルバー部門11位。

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