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【レビュー:ISU世界フィギュアスケート選手権2021 女子シングル】 ロシアが4回転と3A武器に表彰台を独占 日本は五輪3枠を奪還
フィギュアスケートレポート by 野口 美恵日本の最高位は坂本だった。今季はNHK杯でパーフェクトの演技をみせて初優勝。大技はなくとも、ジャンプのダイナミックさで得点を稼げる選手へと成長してきた。ところがショートではルッツジャンプでエッジエラーの判定をさせるなど点を落とし、6位発進。フリーもルッツでエラー判定があるなど、いつもの勢いが出し切れず、総合207.80点で6位となった。
「今季はショートでも3回転ルッツを入れる挑戦をしてきたのですが、エラーを取られると影響が大きいのを痛感しました。また練習し直したいです」
また宮原にとっては、来季への課題を持ち帰る一戦となった。ここ数年「自分に自信を持つこと」をテーマに、カナダや米国で独り暮らしをし、自己改革に努めてきた。しかしショートはミスが重なり、16位発進。フリーも5本のミスがあり、総合172.30点で19位と、順位を落とした。
「技術的には話にならない演技でした。フリーでは、ショートよりは冷静になり自分と向き合えたけれど、行動には結びつきませんでした。もっと自信を持てるようメンタル面をトレーニングしていきたいです」
また米国女王のブレイディ・テネルは、現地入り後にスケート靴が壊れるというトラブルがあり、9位に。一方、ここ2年怪我に苦しんできたカレン・チェン(米国)は好演技で4位と復活を見せ、来季の五輪代争レースが熾烈なものになることを予感させた。
来季はいよいよ北京五輪シーズン。それぞれが宿題を持ち帰る一戦となった。
文:野口美恵
野口 美恵
元毎日新聞記者。自身のフィギュアスケート経験を生かし、ルールや技術、選手心理に詳しい記事を執筆している。日本オリンピック委員会広報としてバンクーバーオリンピックに帯同。ソチ、平昌オリンピックを取材した。主な著書に『羽生結弦 王者のメソッド』『チームブライアン』シリーズ、『伊藤みどりトリプルアクセルの先へ』など。自身はアダルトスケーターとして樋口豊氏に師事。11年国際アダルト競技会ブロンズⅠ部門優勝、20年冬季マスターゲームズ・シルバー部門11位。
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