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【プレビュー:全米フィギュアスケート選手権2021 女子シングル】急激な成長期の真っ只中にいる15歳のアリサ・リュウが3連覇に挑む
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部ちょうど1年前の全米で、ベルは、アダム・リッポンが振り付けたFS「ハレルヤ」で会場を感動で包み込んだ。あれはキャリアの頂点ではなく、「始まりに過ぎない」と本人も語るように、10月末のスケートアメリカでは生まれて初めてのグランプリ大会優勝。やはりリッポン作のSP「グリッター・イン・ジ・エアー」で、丁寧に各エレメンツをこなしつつ首位スタート。氷上にぱっと花が咲いたような、それでいて勇気や力強さにあふれる、そんな彼女ならではの魅力たっぷりに踊りきった。
一方のFS「アバ・メドレー」は少々滑り込みが足らない様子で(そもそもSPも衣装が上手くフィットせずに、FS用衣装を着て滑ったほど、コロナ禍の中では準備も実践も難しいのだろう)、転倒もあり4位に終わったが、完成すれば楽しいナンバーになること間違いなし。すでに過去4年で3度の表彰台に上がってきたベルにとっては、もしも優勝すれば、ジュニア時代から通しても念願の初の全米タイトルとなる。
テネルは2018年に全米の頂点に上り詰めた経験がある。国際的にはほぼ無名な状態から、一気に五輪や世界選への出場権も手にし、当時のFSプログラムをもじってシンデレラガールとさえも呼ばれた。もちろん3年後の今、テネルは押しも押されぬ全米女子フィギュア界の牽引者となった。
特に今季のテネルは、表現者としてさらなる高みを目指しているように思える。FS「サラエボ/ダウン・オブ・フェイス」は、本人曰く、振付師ブノワ・リショーから突きつけられた「わくわくするような障害物」。たしかに解釈のひどく難しそうな音楽に、細かく複雑なつなぎがいたるところに詰め込まれている。おかげで持ち前のなめらかなスケーティングがいっそう際立つし、上半身のドラマチックな動きが、手足の長いテネルのノーブルな美しさを引き出す。スケートアメリカではこのFSでは首位に立った(トータルでは2位)。全米でのさらに研ぎ澄まされた演技に期待したい。
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