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フィギュア スケート コラム 2020年7月29日

【髙橋大輔選手スペシャルセレクション】新SPプログラムへの挑戦、五輪枠をかけた死闘で果たした責任

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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高橋とは異なり、プログラムを「チーズやワインのように熟成させる」ことを好む彼にとって、SPはいわゆるキャリア序盤の当りプログラム。GPシリーズで2度の歴代最高得点を更新し、今大会の数ヶ月前には初の日本一へと導いた「パリの散歩道」だ。ご存知、ちょうど1年後のソチで、史上初の100点超えを達成した栄光のプログラムでもある。

SPで首位に立った羽生も、4位で折り返した高橋も、しかしFSを最高の演技では締めくくれなかった。代わって旋風を巻き起こしたのがケヴィン・レイノルズ!

そもそも世界で初めてSPでの2種類の4回転に成功した「新4回転時代」のパイオニアである。SPは6位と出遅れたと言っても、実は出場23選手の中で唯一、4回転を2本組み込んだ。FSではさらに大胆に3本飛ぶ。……今や「4回転5本」時代に突入しているけれど、7年前のフィギュア界にとって、「4回転3本」はとてつもなくセンセーショナルだった。

3本の4回転ジャンプはもちろん、プログラム全体をほぼノーミスで滑りきると、レイノルズは天に拳を突き上げた。そしてスタンディングオベーション。大逆転だった。優勝者インタビューで流暢な日本語も披露し、しっかりと日本フィギュアスケートファンの心をつかんだ。



2013年 世界選手権:五輪枠をかけた死闘

過去10年間で唯一、日本男子が世界選手権の表彰台に上がれなかったのが、この2013年カナダ・ロンドン大会だ。

しかもSPを終えた時点で高橋大輔4位、羽生結弦9位、無良崇人11位。上位2人の順位合計は13。つまり11ヶ月後に控えるソチ五輪に向け、3枠確保にぎりぎりの数字だった。FSでは誰一人、絶対に、順位を下げることは許されない。

羽生は満身創痍だった。銀メダルで終えた四大陸選手権の直後に、インフルエンザで寝込んでしまう。さらに左膝を痛め、大会の1週間前まで練習ができなかった。しかもFSの公式練習で、右足首さえ故障した。

しかし羽生は、やはり羽生なのだ。FSの「ノートルダム・ド・パリ」では、鬼気迫るほどの演技を見せた。意地でもジャンプを降りてやる、という強い念。肩で息をし、ふらふらになりながらも、最後までステップを踏み抜く確固たる決意。そんな凄みのようなものが全身からにじみ出す。演技終了後に雄々しく吠え、そして氷上に崩れ落ちるーー。

これもまた、間違いなく、羽生結弦伝説のひとつ。技術点では出場24選手中、最高得点を叩き出した。大きなメダルにこそ届かなかったが、FS3位でスモールメダルは手に入れた。

無良は調子が良すぎたがゆえに、SPでは逆に力みすぎた。冒頭に予定していた4回転トーループが、すっぽ抜けて1回転に。

それでも4年ぶりの世界の大舞台を、失意のままでは終わらせなかった。枠取りのプレッシャーにも、決して負けなかった。4回転こそ着氷が乱れたが、その後は次々とトレードマークの勇壮なジャンプを決めていく。パーソナルベストを記録し、FSで堂々たる5位。総合では8位へのジャンプアップを成功させた。

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