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フィギュア スケート コラム 2019年1月25日

全米フィギュアスケート選手権 男子の見どころ

フィギュアスケートレポート by ウェイ・ション
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全米フィギュアスケート選手権 男子の見どころ

Text by ウェイ・ション

五輪シーズンが終わり、次の五輪に向けて新しい4年の幕を開ける際、ISUで大きなルール改正が行われた。エレメンツの基礎点が変わり、GOEの幅が基礎点に合わせてより大きくなったこの新ルールが実施されてから、今シーズンの前半を見て、一番影響を受けたのは、やはり男子シングルだ。

一時期白熱化していた四回転を巡る"軍備競争"がだいぶ緩和され、4回転ジャンプの量と質のバランスをどうやって保てるのかが、頂点を目指すトップスケーターたちの最大の課題だと言っても過言ではない。全米の直前に行われた注目選手のメディアコールで、みんなもやはりこのバランスと自分なりの計画を言及した。

ネイサン・チェン選手(写真:アフロ)

ネイサン・チェン選手(写真:アフロ)

ネイサン・チェン
昨秋、名門エール大学に入学したネイサン・チェンは、一時期スケートと学業を両立させる難しさを感じたが、期末でかなり努力していい成績を収めたようだ。そして、学期が終わり、アルトゥニアンコーチの元に戻り、全米に向けて本格的な練習を再開できて嬉しいという。作戦プランに関しては、「幾つの違う構成を試している。フリープログラムに4ルッツを戻したいが、多分グランプリファイナルの時と似たような構成にするだろう。とりあえずノーミスの演技をしたい」と慎重のようだ。

去年の世界選手権以来、出場したすべての大会を優勝したチェンは、全米男子において実質頭一つ抜けているので、本当にノーミスできたら、もしくはミスが多発しない限り、優勝は確実だ。なので順位ではなく、今大会でどんな経験を積み、世界選手権に臨んでどんな姿勢を見せるのか、特に今シーズン少し不調だったショートの完成度をどこまで上げられるのか、これこそ楽しみだ。

ジェイソンブラウン選手

ジェイソンブラウン選手

ジェイソン・ブラウン
ルールの改正後、国際試合の結果から見られる一つ嬉しい傾向は、ジェイソン・ブラウンのような難しい4回転ジャンプはそれほどできないが、3回転が完璧に跳べて演技力が優れたパフォーマーも表彰台の高いところを目指せるようになったことだ。

世界選手権の代表選考がかかる今大会に向けて、ブラウンはまずプログラムを磨き上げたという。「一部のパターンやステップ以外、大きな変化がないが、プログラムは進化している。ももちろん、技術面のことを忘れず、むしろテクニックを進化させるために今シーズンからブライアン・オーサーコーチに師事するブラウンは、「今はトロントでちゃんと噛み合うようになった。技術面のことを理解している」と進捗を報告した上で、「4回転サルコウとトーループを日々練習している。

今大会のフリープログラムに4サルコウを入れるつもりだ。でも焦てはいない、だってテクニックを理解し、習得することが一番大事だとわかっている」と意気込みを明かした。コーチ変更後、試合ごとに調子があがるように見えたブラウンだが、今大会でまたどんな技術的な進歩とどんな芸術品を見せてくれるのか、実に楽しみだ。

ヴィンセント・ジョウ選手

ヴィンセント・ジョウ選手

ヴィンセント・ジョウ
昨シーズンの全米で大活躍し、オリンピックででもいい成績を収めたジョウだが、今シーズンは背中のケガや体の成長に悩まされ、ジャンプの回転が不足気味になりやすく、試合でなかなか思うほど技術点が伸びなかった。一方、ジャンプがうまくいかないと、演技の完成度にも影響がでやすく、演技構成点も伸び悩む。

これらの課題を解決するために、ジョウは「自分のジャンプの回転が何を以て足りると言えるのか、その基準を見直した。練習がうまくいっているので、全米で変化が見えると思う。テクニカルパネルの方々は炯眼で僕のジャンプのローテーションを見ると思うが、気にしないようにする」と明かした。

そして四回転の数も考え直し、「ジャンプがちゃんと降りて、質の高いパフォーマンスをしたい」という。さらに、2位についたタリン・トロフィーの後にトロントに渡り、一週間をかけてローリー・ニコルとフリージェフリー・バトルに2つのプログラムを直してもらった。「結構大きく変更して、もっといい感じになった。」とジョウが紹介したが、どんなものになっているのか、ぜひ見てみたい。

その他、ここ2シーズンシニアレベルに上がったばかりの元全米ジュニアメダリストら、例えばトモキ・ヒワタシ(樋渡知樹)やアレクセイ・クラスノジョン、そしてカムデン・プルキネンなどの若手選手の活躍も、ぜひ期待したい。 ジャンプの数だけでなく、エレメンツの質と演技全体もますます重要視されている中、様々なパフォーマンス・スタイルや技術、演技構成が見られる今大会をぜひ見逃したくない。

代替画像

ウェイ・ション

中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。

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