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フィギュア スケート コラム 2019年1月16日

~華麗なる舞~ 番外編 田村岳斗に聞く! 其の二

フィギュアスケートーーク by J SPORTS 編集部
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「し烈を極めた全日本選手権。世界トップレベルの争いとなった女子最終組」

― 続いて全日本の結果について、まず女子からお話をおうかがいします。

田村 新チャンピオン坂本花織選手おめでとうございます。今回の全日本は、坂本選手が2日間本当にすばらしい滑りを見せました。フリーの最終滑走であれだけの精神力を見せられたら、参りましたというしかありません。宮原は連覇のプレッシャーもあったでしょうし、紀平も靴の寿命を気にしていたりと、敗因をいろいろ考えますが、それも含めての実力です。どんなに力があっても試合でそれを出しきれるかどうかですから、今回は坂本選手がそれをやりきりました。正真正銘の日本のチャンピオンです。自分に勝てずに相手に勝てるほど全日本は簡単ではない。紀平は2位、宮原は3位。世界選手権代表に選ばれました。今回上手くいかなかった部分を、大舞台でやり直すチャンスを与えてもらえた事に感謝しています。

― そうした中で、細田采花選手がトリプルアクセルをショート、フリー合わせて3本跳びました。これは事件と言ってもいいくらいの出来事でした。

田村 彼女にとっては、全日本でトリプルアクセルを決めるというのが大きな目標でした。僕は3回の挑戦のうち、1発でも跳べたらいいなぐらいの気持ちで見ていました。SPでトリプルアクセルを成功した後に、「目標達成したからフリーをやらないで引退する?」と冗談を言っていたら、ちょうど荒川静香さんが通りかかって、「トリプルアクセルのコンビネーションもみたいからもう少しがんばって」と声を掛けてもらえて。それもいいモチベーションになってフリーの2発のトリプルアクセル成功につながりました。本来なら2年前に引退しているはずの選手が、ここまでやれるというところを見せたという点でも、個人的には大会のMVPでした。細田に関して言えば、すごくトレーニングが好きな選手で、朝早くから陸上トレーニングをしています。そんなところがトリプルアクセルを跳べるようになった要因かもしれません。

― 紀平選手は完璧とはいえない滑りでも、成績はしっかり残しました。

田村 みなさんには紀平のことを褒めていただきますが、浮かれずにやっていきたい。先シーズンから立場が急に変わり嬉しい気持ちもありますし、新しい技に挑戦したいという意欲もあります。「他はどうでもいいから4回転だけは決めてこい」と言えば、すぐにでもそれをできる能力と努力があります。でもその考え方では目指しているところに到底たどり着けないと思っています。紀平はトリプルアクセルだけでなくプログラム全体のバランスがいい選手だと思っています。それを崩してしまうようではどんなに得点の高い技であっても無理をしていれる事は今のところ考えていません。紀平だけでなく、他の選手に関しても同じ考えで先の事も考えながら目の前の試合に対応できる準備はしていくつもりです。4回転やトリプルアクセルは決まれば大きな得点につながりますが、1つのプログラムを完成させる上で色々な面でリスクも増えますから、選手それぞれの成長やタイミングを考えながら取り組んでいく事が大切だと思っています。そして、周囲の盛り上がりに惑わされずに冷静にやっていく事も必要になってきました。彼女もまた練習熱心な努力家で、素直さもあります。

宮原選手

― 宮原選手に関しては、フリーで、フリップのミスが響きました。

田村 プラスに考えれば、宮原にとって切り替えるいい機会かなと思っています。この4年間、日本のチャンピオンとして、自覚はないかもしれないけれど相当重いものを背負っていたと思います。4連覇もしていればベテラン扱いされるのは仕方がないけれど、彼女もまだ20歳。彼女自身、うまく滑れなかった悔しさもあるでしょうし、まだまだ上達できる、やれることがあるという意識は依然として高いです。「連続防衛」や「連覇」もスポーツの楽しみですが、うまくいかない時があるからうまくいった時の喜びも大きい。

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