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スキー コラム 2019年1月11日

特集 小林陵侑(1)ジャンプ週間個人総合優勝

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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難関のビショフを攻略

かつて宮平秀治ヘッドコーチが表彰台に昇ったビショフスホーフェン(オーストリア)。
伊東大貴(雪印メグミルク)は近年までここのバッケンレコードを保持していた。そこで、小林は1本目に不可解な風で待たされての4位、そこから大いなる逆転劇がみられ、巻き返しての優勝とまさしく王道をいくジャンプ週間完全制覇の4連勝、史上3人目のグランドスラムを成し遂げた。

今後、対抗してくるのは気迫あふれるアイゼンビヒラーと、地元で飛び慣れているインスブルックで2位そしてビショフで3位と、2月の世界選手権に調子の波を合わせようとしているクラフト(オーストリア)、そこにポーランド勢が積極的にからんできそうな勢いだ。
ただ、小林は何事もないようにクールなままに飛び出していく。

テクニックで言うと鍛え上げられたボディを軸に安定したアプローチ、推進力あるスピードと空中姿勢、そこでの最後のひと伸びがあり、身体からスキーを離していくリョウユウスタイルがみられる。

佐藤幸椰

佐藤幸椰(雪印メグミルク)がW杯インスブルック大会で6位に入賞した

それとともに日本チームは上昇の道を歩み出した。
小林潤志郎(雪印メグミルク)と伊東大貴に、ジャンプ週間のインスブルックで6位に入った若手の佐藤幸椰(雪印メグミルク)と中村直幹(東海大)が果敢に順位を上げて小林を後押しする。また、コンチネンタルカップから栃本翔平(雪印メグミルク)が昇格をみせて、日本チームは出場7枠をキープする。 これでいよいよ世界選手権の団体戦(ラージヒル)において久々の表彰台が見えてきた。

期待すべき札幌W杯

小林潤志郎

小林潤志郎(雪印メグミルク)は弟・陵侑のジャンプ週間4連勝を喜んだ

1月後半には26日(土)のナイトゲームと27日(日)に行なわれる札幌W杯2試合、その凱旋帰国を観戦に行きたい。ここでは日本選手の表彰台独占もあり得るからだ。
昨年末には、エンゲルベルグW杯(スイス)のあとにクリスマス休暇で帰国した小林は、いきつけの美容室で個性あるヘアスタイルに変貌。正月向けのテレビ収録を兄の潤志郎と難なくこなして、好きな味噌ラーメンを味わいたいと札幌市内にある『味坊』へと出かけて、ホッとした笑顔を見せたりした。
そしてまたすぐにヨーロッパへと旅立っていった。

葛西紀明

葛西紀明選手兼監督(土屋ホーム)は小林陵侑の指導も手掛けている

夏場から研究し続けたノルウェー選手数名のジャンプとアプローチ姿勢は、重心を低くすることで爆発力を生み出した。
そういった葛西紀明監督の教えを素直に聞いていた小林は、日々のトレーニングに関してもアレンジを加え、それをあっさりと自分のものにしてしまった。
その意味においても、まだまだ彼は伸びてくる要素を秘める。

海外勢はこのままで終わることはできないと、そのテクニック分析力を持って包囲網を縮め、小林のW杯優勝を阻止しようと躍起になってきた。そのせめぎ合いはまさしく好勝負の予感なのである。
札幌W杯のナイトゲームは、またきれいな夜景とそこに応援の歓喜が大きく広がってくる。

いまや世界のトップに君臨する小林陵侑と日本選手の活躍を見届けに、こぞって大倉山にでかけよう。

→特集 小林陵侑(2)に続く

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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