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フィギュア スケート コラム 2018年10月24日

【小塚崇彦のフィギュアスケート・ラボ】アイスダンス編 <前編>

小塚崇彦のフィギュアスケートラボ by J SPORTS 編集部
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東野:はい。男性のスタート位置、まあ2人のスタート位置ですね、そのステップも、片足に乗る拍数も、決まっています。ですから、カップルがすべて同じステップを踏む。で、これはステップの数が1番から最後は49番、リンクを約50秒かけて1周するので、非常に長いダンスなんですね。

小塚:はい。

東野:この「1TR」というのは「タンゴロマンチカ、セクション1」という呼び名で、ステップの1番から27番までです。これを1つの要素として、レベルの評価とGOEの評価をしていきます。で、「2TR」というのが、28番から49番、これを「セクション2」としてレベル評価とGOE評価をしていきます。

小塚:なるほど。

東野:この「TR」というのは課題の頭文字を取っていますので、課題が毎年変わりますからここも毎年変わっていきます。で、ダンスの長さによって、(セクションを)2つに分ける場合もあれば、1つにする場合もある。そこは毎年の臨機応変な対応という形になっています。

小塚:では、この3番の要素にある「3」や4番の要素にある「B」に関して言うと、これはレベルのことですよね?

東野:はい、そうですね。ちょっと先に、今年度から新しく登場した、4番の要素(2TRB+kpTNTN)にある「B」についてご紹介しておきたいと思います。これまで、シングル・ペアでは、かなり数年前からベーシックレベルがありましたが、アイスダンスは昨年までステップ・シークェンスを除いては1から4の4段階評価だったんです。

小塚:あの、シングルの場合ですけども、やってはいるけどレベルの要素が取れなかった場合、ベーシックという形になっていたんですが。

東野:ケースバイケースではあるんですけれども。転倒して要素が全然認められなくなってしまった場合など、1を満たさない場合に「B」というのはステップ・シークェンス以外は無かったんですね。でも今年から、すべての要素に「B」=ベーシックレベルが設定されて、5段階になりました。ですので、これまでは(レベルが)1を満たさなかったらGOEがちょっと悲しい結果になってしまったのですが(笑)、それはなくなったんですね。

小塚:ベーシックというものになって、GOEは付くようになったんですね。

東野:はい。まあやはり、転倒でエレメンツがなくなってしまうとか、必要な部分が欠損で満たなかったとかいう場合は、やはりノーレベルとかノーバリューとかっていうのが存在はしていますが。ベーシックが設定された大きい背景というのは、ノービスのまだ小さいカップル、レベルの1を満たすかどうかのときに、やはりきちんと試合でも得点を得てモチベーションを高めていくというのは大変大切なことなので。日本では小さいカップルのアイスダンスの大会というのはまだそれほどないんですけれど、ヨーロッパや北米では多くノービスの国際大会があるので、そういったことが背景になっています。

「Kp」キーポイント

小塚:この、レベルを決めるっていうのは、どういうふうに?

東野:このリズムダンスのパターン・ダンス・エレメンツの大きな特徴として、キーポイント=「kp」というワードがあります。この長いステップなんですけれども、ちなみにこれはもう、スタートの位置も全部決まっています。ジャッジの左側が1番でないとだめ(笑)。

小塚:じゃあこっちの反対側(セクション2)からスタートしたらだめなんですね。ちなみに、セクション2からスタートして、セクション1に入っていくというのは?

東野:まあ応急処置はあるんですけれども、基本は1から。1、2の連続です。1と2の間に何か入れたりしたらだめ。要素も必ずセクション1(3番要素)の次にセクション2(4番要素)と繋がります。もちろんジャッジは、セクション1が1番から27番、セクション2は28番から49番、全部を評価します。

小塚:なるほど。じゃあGOEはすべて…。

東野:すべてです。でもテクニカルパネルは、このキーポイント「Kp」という、指定された部分のステップだけを見ます。

小塚:なるほど。じゃあこのレベルの「3」とか「B」とかと「kp」は連動してるってことですね。

東野:そうですね。で、そのキーポイントというのはどこなのか、っていうことなんですけれども、各セクションに4か所設置されています。まず、1TR(タンゴロマンチカ、セクション1)のキーポイントの1番は、女性のステップの8番、9番、10番ですね。で、キーポイントの2番として男性も8番、9番、10番です。そしてまた女性で、16番から24番、これがキーポイントの3番ですね。同じく、男性は16番から25番までなんですね、これがキーポイントの4番です。(テクニカルパネルは)ここのステップだけを見ます。クリーンなエッジで滑れているか、きちんとしたホールドで滑れているか、乗っている拍数が短かったり長かったりしないか、ということで。

小塚:3番の要素(1TR3+kpNYYY)の後半部分、暗号みたいなんですけど。

東野:「N」はNo(ノー)ですね。ということは、どこかのステップが定められたものどおりに演技されていなかった、パフォーマンスされていなかった。アウトサイドとかインサイドとか正しいターンとかいろいろ列挙されているリクワイアメント(規定要素)があるんですけれども、残念ながらそれらをすべて満たしていないと「Y」(Yes、イエス)にならないので。

小塚:じゃ、3番の要素(1TR3+kpNYYY)でいうと、キーポイントの1番の3つのステップのどれかが滑れていなかったということですね。だから「N」が付いてしまったと。

東野:そうですね。これはちなみに女性のものですね。同じステップでも、男性側はオッケーで「Y」です。2番、3番、4番、すべて「Y」です。あとは単純です。「Y」の数だけレベルが付きます(笑)。

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