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小塚:この「L」は?
東野:Ladies(レディース)の「L」です。で、「M」はMens(メンズ)の「M」です。つまり男性と女性別々にレベルの評価計算値が出てきます。ですが、ダンスは男女が1つのユニットで演技をするというのが基本ですので、それらを合算したものに対してGOEは1つです。「セット・オブ・ツイズル」というのは、昨年度も説明したとおり、パートナー同士が離れた状態で片足で1つのツイズルをし、短いステップを踏んでもう1つツイズルするというもので、これが2つセットで必須要素の中には組み込まれなければなりません。
小塚:っていうことは、昨年まではこのベースバリュー=基礎点が2人一緒に評価されていたのが、間に「+」があるってことは今年からは別々に評価されるのですか?
東野:いいご質問だったんですけど(笑)。実は昨年度までも、評価は別々に分業でしていたんですね。テクニカルパネルは、スペシャリストが女性を見ていたら、アシスタントスペシャリストは男性を見ていました。ですが、エラーがあった場合、まあ不運にもどちらかが転倒してしまったとか足を着いてしまったとかの失敗があった場合は、低いほうの評価に合わせられていたんですね。
小塚:じゃ、どっちかがミスをしちゃった場合は、この「SqTwL4+SqTwM4」から「4」という表記がなくなっちゃって、「3」だったりとか「2」だったりとかになるのですか?
東野:そうですね。「4」というのはやはりすべての要素ができて、ツイズルもきちんとトラベリングしている場合です。例えば途中でもし回転数が満たなくて足を着いてしまったりしたら、そこで終わってしまいます。男性は4回転できたけれども女性はミスがあって2回転で足を着いてしまった。そしたらば、その時点で終わってしまう。そうすると、このパーソンズ兄妹の場合は男女ともに最高レベルの4+4だったんですけれども、これが2+4という場合もあり得るということです。
小塚:じゃあほんとにこう、男子と女子と、今までも評価は別々にやっていたんだけれども、表記も別々になったということなんですね。
東野:はい。今まで評価の計算は1個、得点は1つだったんです。悪いほうに合わせる、と。でも今回からは別々に計算値ができている。得点というのが非常に競っておりますので、少しでも透明性を持って、ということで。
小塚:なるほど。じゃあ例えば隣のパートナーが失敗しちゃったとしても、自分だけは頑張っといたらとりあえず…。
東野:これはね、何とも説明が苦しいんですけれども(笑)。やっぱりこう、関わらず、自分は自分で(笑)。
小塚:とはいえ、両方で別々で点数が計算されて、基礎点は足すにしても、GOEっていうのは1つになるんですね。
東野:そうですね。やはり(男女2人の動きが)シンクロの状態が最も好ましいわけですね。2人の距離感とか、アイスダンスではペアとはまた別の概念ですので、必ず2人は1ユニット。腕2本以上離れてしまったら、GOEのほうで必ずこう、どんどん…。
小塚:引かれていってしまう、と。
東野:はい、そうですね。
小塚:じゃ技術点はどちらかというとシングル的な、シングル・ペアとかっていう考え方になったけれども、GOEは1つで、根本はアイスダンスとしては変わってないよってことですね。
東野:はい。これはやはり、シングルでもジャンプを失敗してしまう場合ってまあ多いんですよね?アイスダンスでもやはり失敗してしまう場合がある。でもそこは競技ですので、得点に反映されていうという形になります。去年までの表記ですと、この「L」とか「M」とかが無かったんですね。それが、今年から女性・男性別々の表記になりました。
小塚:女性・男性の分を足し算した基礎点があったうえで、それに対してGOEが計算される、と。
東野:そうです。で、要素名の前に「コンビネーション」と付くものが、今シーズンからは男女別々のレベル評価値による計算になります。やはりリフトやステップは共同作業ですので、男女別々にレベルを付けるということはできないので。
小塚:別々にやっているものについては、コンビネーションという名前が付いて、別々のレベル評価が出てくる、と。
東野:そうですね。
パターン・ダンス・エレメンツ
小塚:3番(1TR3+kpNYYY)と4番(2TRB+kpTNTN)の2つの要素は、リズムダンスになる理由と言ってもおかしくないものだと思うのですが?
東野:そうですね。まず、この3番と4番の要素というのはリズムダンスでは「パターン・ダンス・エレメンツ」というもので、これまでのショートダンスにも組み込まれていました。これがリズムダンスの大きな特徴の1つです。18/19シーズンのシニア・リズムダンスのパターン・ダンス・エレメンツの課題が、「タンゴロマンチカ」というパターン・ダンスなんです。2010年以前にコンパルソリーダンスという競技がありましたが、その課題がそのまま入っています。
小塚:なるほど。それが、タンゴロマンチカ。「TR」ですね。 東野:そうですね。これは、このボードにご紹介してありますとおり、すべて足の順番が決まっています。 小塚:なるほど。スタートがここなんですね。あわせて読みたい
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