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J SPORTSスペシャル 田村岳斗インタビュー
1998長野から20年。2018平昌、そして2022北京へ
フィギュアスケートーーク by J SPORTS 編集部
―宮原選手はあそこに辿り着くまでとても苦しい1年間だったと思いますが、コーチとしてはどのように見ていましたか?
この1年は確かに大変でしたが、4年の中でうまくいかない時もあるだろうと想定はしていました。全て受け入れてそこからのベストをつくすだけ。こういう時こそ強い精神力が必要ですが、その点の心配や焦りは僕にはあまりなかったです。宮原ですから。
よくここまでやってくれたという思いはもちろんあります。4年前の全日本で、ソチオリンピックを目指して4位。あのときも内容はとてもよかった。だからこそ、僕のなかではこの結果は4年前に心のなかで決めていました。濱田先生も宮原自身も同じ思いを持ってこの4年間を戦ってきました。ケガというよくないことが起こりましたが、それを乗り越えて、4年前に決めた結果通りになって報われました。
―オリンピック選考がかかるシーズンで、宮原選手の復帰のタイミングについてどのように考えていましたか?
彼女の性格を考えると、復帰を急いでしまう可能性があり、それを止めるのが大変でした。アスリートの気質としては必要なものだと思いますが、そうした強い意志や生真面目な部分が間違えた方向にはたらいてしまうと復帰を遅らせることがあります。復帰を急いでしまったために、負担がかかって別の箇所を痛めてしまう事もありました。
―同じく平昌オリンピック候補の本田真凜選手、白岩優奈選手も含めて、チームとしてどう戦うことを考えていましたか? コーチの立場としては、全日本で1位、2位、3位になって、2枠を自分たちのチームでと考えていたと思いますが?
戦う以上、常にチームの選手たちには最高の成績を出してもらいたいと考えています。宮原、本田、白岩の3選手だけではなく、紀平、岩元こころ、細田采花と女子ではチームから6選手が全日本に出場していましたから、トップ6という気持ちでいました。
―それこそ最終組はすべて自分たちの選手でという意気込みだったわけですね。
そんなに自分の都合のいいようにうまくいかない事が多いのはわかっています。ただやる前から負けを考える練習や準備をしたくなかった。少しでも上の得点、順位に行くことを目指しています。
その点では、宮原、紀平はいい成績を残してくれました。岩元も初めての全日本でSP、FSとも度胸のあるところを見せてくれました。細田は、先シーズンで引退する予定でしたが、その後トリプルアクセルが跳べるようになり、全日本フリーでトリプルアクセルを決めて引退しようと臨みました。結果的にはフリーまで進めず、誰よりも悔しかったと思いますが、それを一切見せることなく、宮原の優勝が決まったときにも試合会場に駆けつけて、涙を流して一緒に喜んでくれました。もし僕が細田の立場だったら?周囲に気を使わせるような悪態をついていたかもしれません。彼女は昨シーズンより順位は落ちましたが、人間としては落ちていない。教え子から学びました(笑)
本田と白岩に関しては、前回より順位を落としてしまったという点でも、この全日本は僕にとってうまくいった試合ではなかったと思っています。
● VOL.2 次世代の選手たち
に続きます。
J SPORTS 編集部
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