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フィギュア スケート コラム 2017年2月16日

木戸章之さん新連載コラムをより深く楽しむためのプロローグ編

木戸先生直伝!今からでも間に合うアイスダンス観戦講座 by 斉藤 健仁
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――2007年に選手から指導者になりました。選手時代と何か違いを感じますか?

木戸:楽しさの質は変わりましたね。選手時代もそうでしたが、最初はこういう曲で滑ったら楽しいなという感じでした。立場が変わり、今は自分が身につけたりしたステップの種類や覚えた技術を教えたり、選手に特徴を出させることができたら楽しいなと感じます。

――指導者として大変だなと思うことはありますか。

木戸:自分の現役時代の2004-05シーズンから、旧採点方式から新採点方式へ移行しました。昔は滑りの質、基礎の滑りができているかで点数がつきましたが、いまはリフトや、シークエンス、回転数といった技に対して点数がつきます。そうなると、アイスダンスでは少なかったミスも出てきてしまい、すぐに順位が下がってしまう。個人的には、滑りの質に点数が付く旧採点の方が、目が肥えている人にとっては見ていて面白かったと思いますが、技に点が付く新採点は見ていてわかりやすいのかもしれません。とにかく、毎年ルールが少しずつ変わっていくので、順応するために、コーチとして100ページほどのハンドブックがあり、ジャッジ用の本は60ページあって、それら読み込むなど勉強しないといけません。

――指導者としてジュニアの選手や一般の方など幅広く教えていますね。

木戸:昨年のアイスダンスの全日本ジュニア3位のカップル(矢島榛乃/嶋崎大暉組)を指導していますが、いつか全日本チャンピオンを育てたいと思います。一方で、一般の方がスケートを楽しんでいくことも、認知度を広げる上で大切と思うのでやりがいはあります。羽生選手を見てスケートを始めた大人スケーターの方の中には、彼と同じプログラムや振り付け、衣装で滑りたいという方もいます。

練習中の選手を見つめる目は厳しい

練習中の選手を見つめる目は厳しい

――女子だけでなく、男子選手もレベルが上がってきていますが、どう感じていますか。

木戸:もともと女子選手のレベルが上がり、それに引っ張られた部分があると思います。日本選手が活躍すれば、自分もできるのではと身近な存在に感じられる。髙橋選手の年代くらいから、男の子でもバレエやジャズダンスの練習を嫌がらなくなりました。真面目で一生懸命です。僕が指導者になって初めての新人発掘合宿で、羽生選手がいたのですが、夜もちゃんと寝て朝きちんと起床する。取り組み方が違いますよ。その合宿に羽生選手だけでなく、田中刑事選手、日野龍樹選手も参加していて、3人が図抜けているなあと思っていたのですが、昨年末のNHK杯に3人とも出ていて嬉しかったですね!

――コーチとして、トリノ五輪出場経験がどう生かされているでしょうか

木戸:オリンピックを経験したことは、コーチとして技術よりもこの世界の厳しさを教える上で大きいです。世界で戦うには、これだけのことをやらなければいけない、でもやっていけばその戦いをくぐり抜けることができる。自分でやってきたからこそ説得力が出ると思います。

――最後に、コーチとしての今後の目標を教えてください。

木戸:やはり、フィギュアスケート認知度をまずは高めていきたいですね。自分もそうでしたが、テレビに映るのは嬉しかったですし、やりがいの一つでもありました。アイスダンスももっともっとJ SPORTSで取り上げていただけるようにレベルを底上げしていきたいですね。
今はレベルがすごく上がっていて、10年前なら世界チャンピオンになれるような技をみんな当たり前にするようになってきました。映像などを見やすくなったことが一つの要因だとは思いますが、指導自体が進化しているわけではないと思うので、自分がいままでやってきたことをしっかりと伝えていきたい。どんどん素晴らしい選手が出てきてくれると思うので、それを楽しみに教えていきたいと思います。

木戸章之

木戸章之(きど あきゆき) 1975年8月28日生まれ。
千葉県松戸市出身。芝浦工大柏、筑波大卒業
小学校低学年でスケートを開始し、5年生からアイスダンスを始め全日本ジュニアで5度優勝。渡辺心とカップルを組んでからは2003-04シーズンから引退するまで全日本選手権で4連覇。2006年トリノ五輪に出場し15位。現在は専属コーチとして新横浜スケートリンクで、アイスダンスをはじめとしてフィギアスケートの指導にあたる。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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