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フィギュア スケート コラム 2017年1月27日

全米フィギュアスケート選手権 男子シングル レビュー

フィギュアスケートレポート by 植田広美
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グランプリファイナル(GPF)にも出場した昨年の覇者、アダム・リッポンが骨折により棄権を発表。波乱含みの開幕を迎えた男子シングルは、期待に違わぬ熱いバトルが繰り広げられた。疲労骨折の休養からカムバックしたジェイソン・ブラウン、驚異の進化を続けるネイサン・チェン、若干16歳で世界を驚かせるヴィンセント・ジョウ。目が離せない選手たちが揃った今大会の結果を総括する。

1位 ネイサン・チェン/318.47(SP:106.39/1位、FS:212.08/1位)

今季のGPFのFS(フリースケーティング)で4本の4回転ジャンプを成功させ、ノーミスの演技で会場を沸かせた記憶が新しいネイサン・チェン。今回の全米選手権で彼が選んだものは、”守り”ではなく”さらなる攻め”だった。SP(ショートプログラム)では、もはや彼のアイコンとも言える4ルッツ+3トゥループをあっさり決めると、続く4フリップも成功、そこからは余裕を感じさせる演技。苦手意識を語っていた3アクセルにも2.14というGOE(加点)がつく完成度の高さで、106.39点を獲得。SPで100点を超えた全米選手権史上初の選手となった。迎えたFS『だったん人の踊り』では4回転ジャンプを当初の5本に戻し、見事にすべて成功。ジャンプを跳ぶ度に技術点が10〜20点近く積み重なっていく様子は圧巻だった。ジャンプが決まった分、他のエレメンツにも余裕が見え、トータルで318.47を叩き出した。バレエで培った身体表現の美しさと相まって、硬軟併せ持つ新たな男子フィギュアの形を見せてくれた。

2位 ヴィンセント・ジョウ/263.03(SP:87.85/3位、FS:175.18/2位)

16歳のヴィンセント・ジョウは、今季はジュニアグランプリシリーズ(JGP)に参戦し、2大会で表彰台に上がっている。ジュニアの公式戦ではフリーに4サルコウを入れていたが成功していなかった。今大会では、ショートに4サルコウ、フリーに4サルコウ+2トゥループを入れるなど、大幅に構成を上げての参戦。それをしっかり決め、終わってみればジェイソン・ブラウン、グラント・ホックスタインを抜いての銀メダル。最終滑走者、それも直前のネイサン・チェンの圧巻の演技後となり、興奮覚めやらずざわつく会場内での演技。そこできっちりと力を出せたのは収穫だろう。17歳のチェン、16歳のジョウの1・2フィニッシュに、解説からは「この2選手はアメリカフィギュア界の未来」という言葉も出た。

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