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【ロシアフィギュアスケート選手権2017 男子シングル プレビュー】王座を争うのは3連覇中コフトゥンと大ベテランのヴォロノフ
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部ミハイル・コリヤダには、2人の優勝経験者を退けての初戴冠が期待される。コフトゥンと同い年ながら、ケガ等で足踏みを余儀なくされてきた21歳は、昨シーズン、初出場の世界選手権で4位に飛び込んだ。流れるようなスピードのあるスケーティング、美しいビールマンスピン、しっかり幅のあるジャンプが目を引いただけでなく、なにより彼が創りだす独創的な世界に引き込まれたスケートファンは多かった。
「自分の立ち位置がひとつ上がった」と本人も感じた今シーズンは、国内選手権に向けてゆっくりと調整を積んできた。ロシアには徴兵制度があるため、オフ期間中に兵役についたせいでもある。軍服を脱いだ後も、大学の論文執筆に忙しかった(内容はどうやら、スケーターのジャンプ技術練習の特殊性について、らしい)。無事に「エクセレント」の評価でディプロマを取得し、自らの研究成果を元に、現在は実際に氷の上で4回転ルッツも練習しているそうだ。
ただし今季の目標は、現実的に、FSでトーループとサルコーの4回転2種類を成功させること。特に「プレ五輪イヤーの国内選手権は、誰が五輪に行くのか、行かないのか、という選択が本格的に始まる」とコリヤダ本人が分析する通り、失敗は許されないと感じている。
ちなみにコリヤダとは、古スラブ語で「冬のお祭」のこと。現在は「クリスマス前夜のお祭」や、「クリスマス聖歌」などの意味で用いられることが多い。つまりミハイル本人にとって、クリスマス直前に行われるロシア選手権での成功は、とっても大切な意味を持つに違いない(ロシアのクリスマスは1月7日)。
グランプリファイナルにシニアのロシア男子選手は1人も参加できなかったが、ジュニアからは4人もマルセイユの大舞台に送り込んだ。つまりプルシェンコ引退後の空白を埋めるかのように、10代の選手たちが、どんどんと成長してきている。そんな若き逸材を発見するのも、今年のロシア選手権の楽しみのひとつ。
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