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フィギュア スケート コラム 2015年3月16日

ISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権2015 女子シングル 総括コラム

フィギュアスケートレポート by Pigeon Post ピジョンポスト
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ISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権2015 女子シングル 総合結果
1位 エフゲーニャ・メドヴェージャワ(ロシア)
2位 セラフィマ・サハノヴィッチ(ロシア)
3位 樋口新葉(日本)
4位 エリザヴェート・トゥルシンバエワ(カザフスタン)
5位 マリア・ソツコワ(ロシア)
6位 坂本花織(日本)
7位 永井優香(日本)
8位 カレン・チェン(アメリカ)
9位 チェ・ダ・ビン(韓国)
10位 ダイアナ・ニキティナ(ラトビア)
11位 ニコル・ラジコワ(スロバキア)
12位 アナスタシア・ガルスチャン(アルメニア)

ロシアのメドヴェージャワとサハノヴィッチがそれぞれの実力と魅力を発揮して表彰台の1位と2位を飾りました。そして、ロシア勢に肉薄した3位の日本の樋口新葉の勢いにも圧倒されるものがありました。こちらでは上位7人の演技を振り返ります。

1位 エフゲーニャ・メドヴェージャワ
棄権選手の繰り上がりで出場した昨年の世界ジュニアは銅メダルだったメドヴェージャワが、15歳となったこの1年、負けを知らない選手へと大成長。大方のメディアやフィギュアスケートファンの期待に応え、確かな技術力と強い精神力で実力を出し切って見事初優勝を飾りました。
ショートプログラム(以下SP)『シェルブールの雨傘』は、高得点を狙い3つのジャンプを全て後半に入れる構成です。滑り初めから柔らかい雰囲気で、美しいポジションで全て綺麗に決めたコンビネーションスピンや、リンクを大きく使ってのステップを丁寧に魅せていきます。2アクセル、3フリップ-3トゥループのコンビネーションジャンプを完璧に決め、多くのジャンプで出来栄え点(以下GOE)を得るため片手を上げて跳びます。3ルッツの踏み切りエッジがフラット気味で着氷がやや乱れましたが、堪えてすぐにイーグルに入って巧くコントロールしました。全てのスピンとステップでレベル4を獲得。技術力も素晴らしいのですが、場面場面のムードを緩急を付けて全身で表現出来る感受性の豊かさが光りました。
フリースケーティング(以下FS)『夏の夜の夢』では、途中でがらりと曲調と振付を変え、個性的なストーリー構成で演じます。冒頭の3フリップ-3トゥループではファーストジャンプで流れが途切れかけますが、力でもってセカンドに3回転を付け、勢いを作ります。全てのジャンプを力強く成功させ、3フリップ、2アクセル、3連続コンビネーションジャンプで片手を上げて跳び、GOEでの加点を得ました。美しいポジションの全てのスピンでレベル4。曲調が変わるパートでは操り人形のような仕草をキュートに表現し、愛らしい魅力で終始惹き付けました。ダイナミックなガッツボーズが飛び出るのも納得のFS、ノーミスの演技を見せてシーズンベストスコアを出しました。SP・FSとも1位の完全優勝を決めました。
彼女の問題点は恐らくはルッツを踏み切る際のエッジのみでしょう。高い評価点が並ぶ中、基礎点を大きく失ってしまうエッジエラーがとても惜しいです。彼女の得点を稼ぐ能力からするとこれまではさほど大きな問題ではなかったのかもしれませんが、このFSでは他選手と1点2点の差を争った形となりました。今後間違いなくシニアでもトップ争いに加わってゆく選手ですので、出来るだけ早い段階で改善されるようになって欲しいと願います。
(SP 68.48 1位|FS 124.49 1位|総合 192.27)

2位 セラフィマ・サハノヴィッチ
柔らかな膝使いと巧みなエッジ使いで表現を生む15歳。昨年の世界ジュニアでは銀メダルを獲得、今季のジュニアグランプリシリーズは2連勝、ファイナルも2位に入りましたが、その後のロシア選手権では調子を落としていました。
SP『My Dear and Kind Creature』。依然調子が万全とは行かないようで、後半に跳んでいた3フリップ-3トゥループのコンビネーションジャンプをこの大会では前半に配置したのですが、セカンドジャンプの後にオーバーターンが入ってしまいます。しかしここで転倒せずに堪えたことが、後の総合結果に大きくプラスに働きました。後半の2アクセルを決めた後に片手を上げての3ルッツ、綺麗に着氷しましたが踏み切りのエッジがフラット気味だったためアテンションマークが付いてGOEの部分で減点がありました。また、単独ルッツで助走を長めに取っているので、ステップから直ちに跳ぶことを今後修正した方がいいでしょう。しかし、とても雰囲気のある良い演技を見せました。足元のみならず上半身のしなやかな表現力も魅力的です。
FS『オブリヴィオン / I Love You, I Hate You』、導入部から世界を創ります。スケーティングだけでも哀愁を表現出来る稀有な選手だと改めて気付かされますし、それに加えての細やかな動き……少しだけ高さを変える目線や、片手を朧げに伸ばす仕草などで、なんとも言えない切ない哀しみが流れ込んで来て、ジャンプに入るまでに既に心を持って行かれます。冒頭の3フリップ-3トゥループを美しい流れで完璧に決めてテクニカルの部分でも良いスタートを切り、3サルコウ-3トゥループ-2トゥループのコンビネーションジャンプもクリーンに降りて10点以上を稼ぎます。全てのジャンプを綺麗に着氷しましたが、唯一、やはり3ルッツでエッジエラーの判定がありました。しかし、恋人との別れの哀しみから立ち直ってゆく女性のストーリーを感情豊かに表現し、とても素晴らしい演技を作品として披露することが出来ました。
SPで少しミスがあり、本人の理想通りの試合展開というわけにはいきませんでしたが、今シーズンの集大成の場で見事に銀メダルを獲得しました。昨年と同じ色のメダルで少し悔しい思いもあったのかもしれませんが、昨年末のロシア選手権での曇った表情の印象を、この大会では笑顔で明るく塗り替えてくれました。片手を上げてのジャンプを多く取り入れているサハノヴィッチですが、J SPORTSで放送されたエキシビション時の解説によりますと、彼女曰く「手を上げた方が高く跳べるので、手を上げずに跳ぶことは私には考えられないのだ」とのこと。難しい跳び方での練習をどれだけ重ねて来たのでしょう、もはやそちらの方が身体に染み付いている選手なのですね。
(SP 63.09 2位|FS 123.06 3位|総合 186.15)

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