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――左足が苦手?
織田:ターンとかする時の左足がすごく苦手。
――右の方はいいの?
織田:右の方がいいです、足も。それも直されたんで。ジャンプも反対方向にずっと跳んでたから。それで多分左足で降りたりとかしてたら、左の方が得意になったんだろうけど、それも直されて。
――じゃあ右回転のアクセルとか跳べるの?
織田:右回転のアクセルまでいってないです、全部初期段階で。
――スピンは?
織田:スピンも全然ダメです。
――右回転は基本的にはできないの?
織田:全然できないです。だから7才くらいで跳び始めた時も、直されて。やっぱり危ないじゃないですか、営業中とか。
――スピンも怖いしね。見てる感覚と違うもんね
織田:それが7才で。早生まれだったので、4年生から野辺山とかに行くようになって。そこで髙橋大ちゃんとか、小林宏一君とか。
――宏一って、毎回名前出てくるねんけど(笑)。
織田:宏一君ってその当時は憧れの存在でしたもん。ジャニーズで、身体能力とかすごく高くて、お手本してくれって言ったら大体宏一君の名前が出てきて全部やってくれたりとか。それで、ノービス来て、ジュニア来て、シニア来てって感じで。今現在に至る。
――試合に行き始めたのは?
織田:全国大会とか、西日本小中学生大会とか小学3、4年生くらいから行き始めて、元からお母さんに言われてやり始めたスケートだったので、あんまり好きじゃなかったんですよ。自分から好きなことを選択してやりたいっていう気持ちがすごく強くて。小学生時代はずっとケンカしてましたよ。塾にも通っていて、「塾かスケートかどっちかにしなさい」って言われて、でも勉強も嫌だったんですよ。どっちかにしろって言われたから、それならスケートにするって言って。
――でもすごいやん、そんな人が世界で戦ってるんやもんね
織田:本当に不純な動機もいいとこですけど。
――でもそれも大切なきっかけの1つでしょ
織田:その選択を迫られたのが5年生で、それで6年生の時にまだスケートをやめたいっていう気持ちは持っていたんですよ。だからやめたいって言ったんです。そうしたら母が「良い成績やったらやめてもいいよ」って。じゃあ練習がんばって良い成績を取って、これで一区切りにしようって思ったんですけど、がんばってるとなんか楽しくなってきちゃって。その時はノービスで2位になって、1位は大沼宏行君ていう子が1位だったんです。その子の先生にも「これからもがんばってね」って声かけてもらって、色々とすごくうれしくて。なんかスケートを続けてもいいかなって思い始めてたんですよ。
――それが6年生?
織田:6年生から中学1年生くらい。でもやっぱり中学に入ってから多感な時期になって、反抗期とか。練習はいいけど、母に教えられるのが嫌やっていうのが生まれ始めて。家と学校スケートリンクがすごく近かったんですよ。トライアングルみたいに正三角形みたいな。全部自転車で5分圏内だったんです。だからO2(スケートリンク)ってゲームセンターとかボーリング場も一緒で、友達とかよく来るんですよ。だからみんな母に教えてもらってることも知ってて、「おまえオカンとめっちゃ仲ええやん」みたいな。それを言われるのがすごく嫌だったんですよ、練習とか見られて。別に母に何か悪いことがあるとかじゃなくて、環境が嫌で。その時にちょうど腕をケガしてしまって、中学2年生のシーズンはほとんど試合に出られなかったんです。
――なんのケガ?
織田:骨折なんですけど、下のリビングで家族でクイズ番組見てたんです。すごくおもしろいクイズがあって、2階にいるお姉ちゃんに教えようと思ったんですよ。家が結構古くて、古い家の階段って1段高っ!っていう所あるじゃないですか。そこを全力疾走で行ったら思いっきり一番上の所で滑って転んで、腕を骨折しました。それで夏に手術して、試合とか練習にも行けなくて、「これでスケートと離れることができる」と思って。これを機にやめちゃおうと思ったんです。放課後に友達と遊んだりとかもしたことなかったから、めっちゃ遊べると思って、そういう生活が1ヶ月経ったんですけど。そしたら途端に虚しくなってきて、「生きてるってなんだろう?」みたいな。
――何才?
織田:14才(笑)。「自分は今一体何を目標に生きてるんだろう」って、すごく空虚な感じ。それを感じ始めて、すごくスケートを滑りたいってある日突然思い始めて。知らない間に走りこみ行ったりとか、腹筋したりとか。戻ってもすぐ滑れるように体重もあまり増やさないようにして。その時に気づいたんですよ、「自分てフィギュアスケートが好きなんだな」って。6年生の時にちょっと感じ始めていた気持ちを改めて感じることができて、中学3年生のシーズンは4月くらいからすごく練習をがんばって。ケガする前はトリプル1個も跳べなかったんですけど、手術が終わって氷に乗ってから1ヶ月で、全種類跳べるようになったんですよ。
――ええ!まじで?
織田:ダブルアクセルも跳べてなかったんですよ、全部回転不足で。気持ちが前に向き始めたから良くなってきたのかな、と。それで全部跳べるようになって、そのシーズンの全日本ジュニアで4位に入って、そこからですね。国際大会にも行かせてもらえるようになって、高校1年生でジュニアで3位かな。次2位になれて、1位になれて、世界ジュニアで1位になれて、という感じでつながっていったかな。
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