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決めたのは、ソチの1年前のGPファイナルで滑り終えて、いろんなインタビューを受けた時。周りの選手たちはみんな、1年後のソチオリンピックでここに戻ってくるっていう話をしているんですよ。でも私はそれに対して「いや、まだちょっとオリンピックとかわからないです」って言っていて。それで部屋に帰って考えて、「せっかくここまでみんなでがんばってきて、最後まで自分がその中にいなくて後悔しないかな、自分は本当は最後まで選手をやりたいんじゃないのかな」って思って。だから引退を決めたというよりは、ソチまでやることを決めた。
私の中ではソチオリンピック以降のことは一切なかったんです。それ以前に、どこで引退を決めるのかが怖かったんです。でも全日本選手権が終わってから、「あと1年続けて、ソチのシーズンで現役を引退しようと思います」って言ったら、自分では1年間の現役続行宣言だったんですけど、次の日の見出しは全部「鈴木明子、来期で引退」でした。
――まあ、捉え方だね
鈴木:自分の中では「え、それ以上はなかったんだけどな」ていう気持ちはあったんですけど。でも、決めたらすごいスッキリしました。オリンピックに行けても行けなくても3月までと決めたら、「もうこれが最後なんだ」って思ってがんばれたんですよ。引退後の自分を想像できなかったからずっと怖かったんですけど、最後までやりとげた。それは成績が出ないと満足しないのかなって思っていたんですけど、そうでもなくて。最後の世界選手権はそんなに良くはなかったですよ。終わった時にちょっと悔しさはあるけど、「選手としてのスケートにおいてはもういいかな、次のステップに行くんだな」って思ったんです。そう思えるまで選手ができたのは、すごい幸せなことだと思う。
――そうだね
鈴木:みんなが次のシーズンの準備をしているのを横目で見ていて、自分だけもうやめたんだなって悲しくなるかと思ったら、すごいスッキリしていて。次の世代の子たちに、選手生活を自分が充実した気持ちで終われたように終わっていってほしいと思います。そういう気持ちでいられるのも、最後まで自分がやり遂げたからかな。そこまでできるとは自分では思っていなかったので。
――長いスケート人生の中で思い出の曲はある?
鈴木:リベルタンゴ。中学生の時に一度滑っていて、15年以上たっているんですよね。特に私の表現というものが評価されたのが14才の時のリベルタンゴだったんです。だからすごく思い入れがあって。まだお互い知らなかった時の大ちゃんが14才の私のリベルタンゴを見て、勝手に完コピしていたんです。
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