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――新人発掘の時は俺は海外にいたけど、すごい踊る子がいるっていうのを知ってた
鈴木:それ、私のことですか?
――うん、顔も知ってた。小学生の時でしょ?
鈴木:自分ではすごい踊ろうとか見せようとか思ってなかったんですよ。単純に自分が振り付けてもらったものを一生懸命やっていただけだったんですけど。
――その頃からそういう一生懸命なのが出てるんだろうね。表現のすごさっていうのが
鈴木:あとはやっぱり褒められると、もっとがんばろうみたいな。でもジャンプはちょっと、っていうのがその時にもう植え付けられていました。あの頃の採点は技術点と芸術点でどちらかに選手の傾向が分かれていたじゃないですか。技術点が4.9くらいだったら表現力が5.2とか漠然としたのがあって、そうすると下の点数が出てしまってから表現力の方で上に出ちゃうので、「自分はジャンプは苦手なのかな」って。
――あれは良くないと思う。苦手意識を選手に植え付けてしまう
鈴木:どうしても「私はジャンプが苦手なんだ」と思っている部分があったから、その分踊ろうという気持ちは強かったかな。
――それが今活きてるもんね。そう考えると良かったのか悪かったのかどっちかわからないけど
鈴木:途中で採点が変わったのもありますしね。旧採点の頃は個性がいっぱいあっておもしろかったです。ジャンプが得意な人はジャンプを前面に出していたりとか、表現の人は音楽やステップを自由にやっていて。
――アーティスティック・インプレッションだね
鈴木:大体5.2,5.2,5.2、たまに5.9とか。
――小さい頃は4点超えるとうれしくなかった?
鈴木:うれしかったです。
――すぐ越してたもんね
鈴木:いや、越してなかったですよ、4点の壁。今じゃ考えられないですよね。だから採点法が変わった時に、あまりの違いにすごい戸惑って。競技を1年休んで戻ってきたら新採点になっていたんですよ。浦島太郎みたいになっちゃって。
――あれはルールは変わって、採点方式が変わって、全員が点数が出て「これは良いのか悪いのか?140点は良いのか?」って思って順位が出たら「あ、良かったんだ」って。一年中そんな感じだったよ
鈴木:なんの基準もないですもんね。いまだに選手の中でも言いません?これが自分の自己ベストなのかなって。ずっと先生の顔見てるっていう。
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