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スイスのベルンで開催されているフィギュアスケートの欧州選手権は29日、女子シングルスのフリーが行われ、今季での引退を表明しているサラ・マイアー(スイス)が、ショートの3位から逆転で優勝。地元開催の大会に花を添えた。
【女子シングルス ショートプログラム結果】
1位 サラ・マイアー(スイス)170.6点
2位 カロリーナ・コストナー(イタリア)168.54点
3位 キーラ・コルピ(フィンランド)166.4点
4位 クセニヤ・マカロワ(ロシア)162.04点
5位 アリョーナ・レオノワ(ロシア)154.31点
6位 ヴィクトリア・ヘルゲソン(スイス)151.66点
7位 イーラ・ファヌト(ベルギー)150.66点
◆サラ・マイアー(スイス)
「こんな最後が待っていたなんて信じられない。この瞬間をずっと夢見てきた。この大会は私にとって、全てがぴったりとはまったような気がする。プログラムも、観客席の雰囲気も。観客の応援は本当に素晴らしかった。すごく私を感動させてくれた。それに最後の大会だったから、なおさら私は感動的になっていた。それに記者会見の司会者と「記者会見で会いましょう」なんて冗談を言い合っていたのに、昨日本当に記者会見に来られてびっくりして。そして今日もここにいて。本当に未だに信じられない。本当にパーフェクトなエンディング。
他の選手がどんな滑りをしているのか、気にしないようにしていた。何かを聞いたり見たりしたら、心が乱されてしまう。メダルを取るためには、いつだってベストの滑りをしなければならない。だから自分のスケートだけに集中し続けた。自分の全てを尽くすことだけを考えた。他の選手の滑りは見なかった。
声援には助けられた。ウォームアップでは、あまりの歓声に感動してしまった。あまりに感動して泣きそうになってしまった。でも感情に流されてはならないと自分に言い聞かせた。エネルギーを内側に保っておかなければならない、と。コーチからも、あまり感情的にはならずに、観客から逆にエネルギーをもらえ、と言われた。うまくいったわね。
おかげでより気持ちを楽に、キャリアを止められる。去年は本当によくなかったから、そこで止めるのは難しかった。もちろん続けるのも難しかった。それだけの価値があるかどうか分からなかった。でも今は、本当に最高の辞め時。時が来た感じ。それに私はケガが多かったから、いつだって「もうこれ以上続けられない」と思ってきた。それにこれ以上上達することもないと分かっている。リミットに達したの。そして人生最高の大会を戦った。だから本当に止めるには最高の時。
ただ、ただ信じられないという気持ち。上手く言い表すことができない。観客のことや私を支えてくれた人のことを思った。辛いときもあったけれど、もうそんなこと忘れてしまったわ。実際はそれほど悪い時期ではなかったのかもしれない。だって全てのことがこうして報われたのだから。
人生はそれほど変わらないと思う。これからは観客の皆さんにお返ししていきたい。ポイントのためではなく、観客のために楽しんで滑りたい。でも今日のことは、生涯忘れないと思う。キャリアで後悔していることは、例えば過去にメダルを取ったときに、その瞬間を十分に満喫してこれなかったこと。それが唯一の後悔。だからこそ今は、この瞬間をじっくりと堪能しようと思っている。それ以外の後悔はない。全てが報われたから。辛いときもあったけれど、それはスポーツ選手としての問題であって、私個人だけの問題ではなかった。それに私たちはいい模範担っていると思う。時には負けたり、転倒したりするけれど、厳しい努力を続ければ、いつか報われるんだって。
銅メダルを守るために安全策を取ろうなどとは考えなかった。全てを得るか、全てを失うか。オールオアナッシングで挑んだ。今日はかなり冷静だった。冷静すぎるんじゃないかと心配にさえなかった。でも冷静さと攻撃的精神を上手くミックスできたと思う。今日は全てが上手く行った。スケートシューズさえも完璧にフィットしていた。これは大きな違いを生むの。転倒するか着地できるか、ステップアウトしてしまうか、そんなことは些細なことが影響する。本当に今日は幸運が私の味方をしてくれた」
◆カロリーナ・コストナー(イタリア)(マイヤーの優勝は)「本当に嬉しく感じる。すごく感動した。こんな風にキャリアを終えることができるなんて、本当に素敵だと思う。今日のフリーのパフォーマンスには満足している。ショートの出来と、あと少しの完成度が足りなかったと思う。世界選手権に向けて調子を上げて行きたい。
昨日ベッドに入る前に、状況を現実的に判断して、(メダルは)かなり難しいだろうと考えた。だからメダルのことは考えず、自分のベストを尽くすことだけを考えた。それが良かった。ここに来る前に非常にいいトレーニングが出来ていたし、ここでもすごくいい練習が出来ていた。だから自分にはいい滑りができると分かっていた。だからこのメダルは本当に嬉しいし、すごい驚きでもある。
(3回転フリップ東京で入れる?)今時点では断言できないけれど、おそらく入れないと思う。今後どれくらいフリップの調子を上げていけるかどうかを見て考えたい。コーチと一緒に決める。マイヤーが苦しんできた姿、ケガから復帰しようと戦う姿をずっと見てきた。私にも辛い時期があったからよく分かる。それに私たちは一緒にトレーニングしていたこともあった。だから彼女が地元でこうして勝つことが出来て本当に嬉しい。地元での優勝はスペシャルに違いないわ。本当にパーフェクトなエンディングだと思う」
◆キーラ・コルピ(フィンランド)
かなり苦しんだ。スタートからあまりよくなかった。そしてループでの転倒。でも観客席からたくさんの声援をもらったおかげで、最後まで戦い抜くことが出来た。今はこのメダルが取れて満足しているけれど、自分にはもっと上手くできるはずだとも分かっている。2007年に最後にメダルを取ってからの長い道のりを考えると、たくさんのアップダウンがあった。去年はメダルまであとわずかのところまで近づいた。でも手に入らなかった。それからハードにトレーニングを積んできた。だからメダルが取れて嬉しい。マイヤーのことも本当に嬉しい。こんな風にキャリアを締めくくるにふさわしい選手だと思う。コストナーもショートの失敗のあとここまで盛り返してきて、本当に素晴らしいわね。表彰式は感動的だった。スイスのファンだけでなく、イタリアやフィンランドのファンもたくさん応援に来てくれていたのだから。
転倒には自分でも驚いた。私にとってトリプルループは一番簡単なジャンプだから。でも、こういったトップレベルの戦いでは、ほんの些細なミスが大きな違いを生むんじゃないかな。ほんのちょっと何かを考えたり、すべきではない動きをほんの一瞬してしまったりしただけで、ジャンプに影響するんだと思う。だからどうしてミスしたのか、しっかりと説明することは出来ない。トップレベルの戦いでは、何かちょっとミスしただけで、こんなことが起こる。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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