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フィギュア スケート コラム 2010年3月8日

【フィギュアスケート】五輪後、『いけにえ』のジュベールを救ったのは…

フィギュアスケートレポート by 宮本 あさか
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★ISU世界フィギュアスケート選手権2010(トリノ)
3月25日 (木) 20:00 男子ショートプログラム
3月25日 (木) 25:50 男子フリー ※生中継
3月27日 (土) 17:45 女子ショートプログラム
3月27日 (土) 20:15 女子フリー ※生中継
(チャンネルはいずれも、J sports Plus)

冬季五輪の熱狂は過ぎ去ってしまいましたが、各国それぞれに賞賛・反省・批判などの声が上がっています。先週はロシアメディアの提言についてお知らせいたしましたが、今週は五輪で大失敗した2選手の母国の様子をお届けします。両者共にメダルを期待されながら、とんでもない低い順位に終わったのですが、2人の母国のリアクションには少々違いがあるようです。

◆ジュベール(フランス)の場合
金メダルを獲得するはずだったのに、ふたを開けてみれば16位。完全なる失敗でした。母国ファンからは当然失望の声が多く聞かれましたが、フランスアイススポーツ連盟(スケート、ボブスレー、カーリング等)が最も厳しくジュベールを批判しました。フランスの氷上スポーツがメダル「ゼロ」に終わった責任が、まるでジュベール1人の責任であるかのように攻めたのです。さらには「ずるがしこい奴」と侮辱的な言葉まで。ちなみにフランスは今回の五輪で11個のメダルを獲得しましたが、全てが「雪上」スポーツでした。これに反応したのは、健康スポーツ省のスポーツ担当大臣、ラマ・ヤドでした。

「ジュベールを『いけにえ』にしてはならない。アスリート1人を叩くべきではない。ミスしたことを最も深く後悔しているのは彼本人であり、自分自身を厳しく攻めているはずなんだから」

と前置きした上で、フランスの氷上スポーツ連盟の強化体制に疑問を投げかけています。「見直すべきなのは、むしろ連盟の方針だ。連盟の関わっている他の競技こそ、近頃はまるで成績を残せていない。数年前から会長はころころ変わるし、経営問題も抱えている。責任を取るべきは連盟だ。言い訳はみつからない。フィギュアスケートだけにメダルの期待をかけすぎだ。スピードスケート等、ほかのアイススポーツにも重点を移すべきなのではないか」。

どうやらスピードスケートやショートトラック、スケルトン、ボブスレー、リュージュ、カーリングといったほかの氷上スポーツは強化がおざなりで、一方のフィギュアスケートには過大な重圧をかけすぎていたということのようです。ヤド大臣の発言に連盟の会長はノーコメントを貫き、ショートトラックの選手は大喜びをしました。また連盟の技術委員長は「大臣の意見は正しい。内部革命が必要だ。バンクーバーの失敗は、今後良くなるために必要な試練だったのだ」と勇気ある発言をしています。

ジュベールだけにゆがんだ期待がかけられ、ジュベールの失敗ばかりが責められる現状況が、どうやら改善される日も近そうです。2012年のニース世界選手権でキャリアの集大成を目指すジュベールは、まずはトリノで建て直しを図る予定です。

◆ヴェルネル(チェコ)の場合
ジュベールが国内の後輩アモディオ(12位)に五輪で負けたように、ヴェルネル(19位)もチェコの後輩ブレジナ(10位)にすっかりやられてしまいました。やはり大批判の的となったのか……というと、そうでもないようですね。五輪は閉幕式まですっかり楽しんで、母国プラハに帰ってからはオリンピック出場選手歓迎コンサートにも参加。しかも司会者として、メダルを獲得した選手たちを壇上に呼び入れる役割をおおせつかったようです。期待通りの成績は残せなくても、華のある人気者ぶりにまるで翳りはないのです。

その証拠に(?)、チェコの五輪アスリートにおける危険な選手ナンバーワンにランクインしているのです。なにが危険なのか?というと、インターネットでヴェルネルに関する壁紙画像やスクリーンセーバーなどをダウンロードしたとき、4.94パーセントはウィルスかトロイの木馬付きなんだそうです……!これはチェコではダントツの数字。ちなみに世界で最も危険な五輪選手とは、アメリカのスピードスケート女子選手、ジェニファー・ロドリゲス。25パーセントの確率で、ご使用のパソコンに障害がでるでしょう。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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