【フィギュアスケート】ランビエールは五輪決定？

クリスマスムード一色の欧州各国では、フィギュアスケートナショナル選手権が続々開催中。なんといっても今回は4年に1度のオリンピックシーズン。1月開催の欧州選手権への選考だけでなく、バンクーバー五輪の最終選考を兼ねる国もありますからね。……欧州を襲う大寒波にも関わらず、各地のリンクは熱気に包まれていますよ！

◆スイス
12月10日～12日　スイス国内選手権開催　男子優勝 S・ランビエール／女子優勝 S・マイアー
五輪枠：男子1、女子2、ペア1

復活のランビエールが9度目の、そしてマイアーが8度目のナショナルタイトルを獲得。ランビエールは内転筋と臀部に痛みを抱えながら、マイアーはNHK杯で痛めた踵の炎症を押しての見事な優勝でした。そして両者共にソルトレイク、トリノに続く3回連続の五輪出場が期待されていますが……。ところでウインタースポーツ王国のスイスにとって、冬季五輪は「参加することに意義がある」のではなくて、「好成績を出すことに意義がある」ようです。だからバンクーバー五輪への選出基準は「トップ10に入れる実力のある選手のみを選出すること」。フィギュアスケートの出場選手選考基準も、スイス五輪委員会によりきちんと明文化されています。

【スイス五輪代表選考基準、男女シングルの場合】
・昨季の世界選手権で上位8位以内に入り、2009/10シーズン中に必要ポイントを1回以上上回ること
もしくは
・2009/10シーズン中に必要ポイントを2回以上上回ること
※必要ポイント：GPシリーズもしくはISU大会において男子195ポイント、女子153ポイント
・国内選手権優勝、欧州選手権10位以内は、選考に考慮される

さて、上記の基準に照らし合わせてみると、ランビエールは選考大会の1つであるネーベルホルンを232.36ポイントで優勝して、必要ポイントを1回クリア。国内選手権でも優勝していますから、「ほぼ」王手をかけたと言えるでしょうか？もちろん欧州選手権でポイントをクリアすれば、文句なしの五輪代表です。一方のマイアーは昨季の世界選手権では9位と1つ及ばず。今季はNHK杯を途中棄権し、現時点で明るい話題は国内選手権優勝のみ。欧州選手権で好成績＆好ポイントを叩き出して、バンクーバー行きの切符をつかみたいところですね。スイス五輪委員会によりフィギュアスケート五輪代表選手が正式に決定されるのは、2010年1月28日です！

◆フランス
12月18日～20日　フランス国内選手権開催　男子優勝 F・アモディオ
五輪枠：男子2、ペア1、アイスダンス2

「目標はバンクーバー！」と銘打って行われたフランス国内選手権。大会開催要項には「バンクーバー五輪を見越した最後の選考大会である」とはっきり記載されており、選手たちによる恐ろしいほどの真剣勝負が繰り広げられました。特に男子はF・アモディオ、Y・ポンセロ、A・プレオベールの「誰が勝ってもおかしくない」激しい三つ巴戦！！ところで2007年世界チャンピオンのB・ジュベールは、ケガ→手術→リハビリのため、国内選手権は欠場。五輪出場は内定をもらっていますので、不出場でも問題はありません。ちなみにフランススケート連盟が2009年6月に公表した五輪代表選出基準を見ると、ジュベールとアイスダンスの2008年世界チャンピオン、ドロベル＆ショーンフェルダー組に関してはあっさり「代表内定」と書かれているんですね。

【フランス五輪代表選考基準】
・2009/10グランプリシリーズの総合6位以内に入った選手は出場内定
・6位以内に複数選手入った場合は、グランプリシリーズの順位や、出場内定のジュベールやデロベル＆ショーンフェルダー組との兼ね合いを考慮して連盟が代表選手を決定する
・グランプリシリーズ6位以内に誰も入らなかった場合、フランス国内選手権の成績により代表選手を決定する

結局、2009/10グランプリシリーズで上位6位以内に入ることができたのは、すでに内定済みジュベールと、アイスダンスのペシャラ＆ブルザ組のみ。ちなみに嬉しい五輪内定をもらったペシャラ＆ブルザ組はブルザの足首ケガで、そしてデロベル＆ショーンフェルダー組はデロベルの出産（10月1日にママになったばかり！）で、いずれも国内選手権を棄権しています。そして残り1枠を巡る熾烈な男子三つ巴戦を制したのは、19歳のアモディオでした。昨季はジュニアながらシニアの国内選手権で堂々の2位。この秋から本格的にシニアツアー転戦を始めたばかりだというのに、先輩たちの夢（ポンセロ23歳、プレオベール24歳）を蹴散らして、バンクーバー行きに王手をかけました！……気になるフランス代表選手の正式発表は、いよいよ今日！2009年12月22日火曜日です。

※次回はプルシェンコの復帰で大いに注目されるロシア等々の五輪代表選考に迫ります！