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2分後、再び南アフリカ代表陣内からの攻撃を止めきれず、マリンガに走られてしまう。スコアは、12-5で前半が終了。南アフリカ代表は、第1戦よりもフィジカル面で徹底してプレッシャーをかけてきた。ブレイクダウンでボール出しを乱され、スクラムでも圧力を受けた。攻撃が継続できないサクラフィフティーンは、7割方ディフェンスの時間となり、懸命にタックルしたが、対格差もあって次第に体力を消耗することになった。
齊藤聖奈
後半はキャプテンのPR南早紀、FL鈴木実沙紀、CTB鈴木彩香ら経験豊富な選手を次々に投入して連続攻撃を仕掛けたが、ディフェンスを突破しそうになると決まってハンドリングエラーが起きた。24分、WTB名倉ひなのが右コーナーに飛び込もうとしたシーンが点差を詰める最大のチャンスだったが、タッチラインに押し出された。その後、南アフリカ代表FBナディーン・ルースに抜け出され、WTBシマンケーレ・ナンバにトライを奪われる。この時点でスコアは、20-5。勝敗は決した。終了間際、FL齊藤聖奈が鈴木実沙紀のサポートを受けて意地のトライを返し、20-10でノーサイドとなる。
「私たちの準備に慎重さが足りなかったことを物語っている」とは、レスリー・マッケンジーヘッドコーチ。「自分たちを信じたことは良かったが、信じすぎていたところもある。立ち位置を見つめなおしたい」と話した。南早紀キャプテンは悔しさを押し殺して言った。「私たちはまだまだ成長段階だと思います。これからも成長し続けるので応援をよろしくお願いします」。
試合直後、円陣を組むサクラフィフティーンの横で、南アフリカ代表の選手たちは笑顔で歌った。サクラフィフティーンと健闘を称えあうときは、多くの選手が笑顔で「ありがとう」と日本語を口にした。テストマッチは真剣勝負だが、ラグビーを愛する者同士の交流の場でもある。初めての対戦で1勝1敗。悔しい負けではあったが、笑顔で集合写真に収まる両チームを見ながら大切なことを再確認することができた。10月8日に開幕するラグビーワールドカップ(ニュージーランド開催)ではきっと応援し合うだろう。8月、南アフリカ代表は世界ランキング10位のスペイン代表と、サクラフィフティーンは同7位のアイルランド代表とのテストマッチが待っている。ともに成長しニュージーランドの地で再会してもらいたい。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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