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2017年度に卒業したPR木津は大学3年時は大学選手権でベスト4だったが、決勝に進出することはできなかった。だが、NO8マキシが4年時の2018年度は準優勝、WTBフィフィタが副将だった4年時の2020年度、天理大学は大学選手権で初優勝を飾った。
昨年度、関西大学Aリーグで23年ぶりに優勝し、今季の関西大学春季トーナメントでも決勝に進出した京都産業大学からは、WTB山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)が選出されている。
また、立命館大学(春季トーナメントベスト4)からはFL(フランカー)古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)、摂南大学(春季トーナメント6位)からはWTBジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)が、それぞれ今夏の日本代表に入っている。また、6月30日には同志社大学(春季トーナメント5位)出身のPR海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が追加招集された。
最後に「地方の公立」出身ながら、日本代表まで登り詰めたのが鹿児島大学出身のSO(スタンドオフ)中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京)だ。鹿児島大学は九州リーグに参戦しているが、大学選手権に出場したことはなく、3年時に全国地区対抗大学大会で準優勝、4年時は主将として再び準優勝を飾った。九州代表やセブンズ日本代表の実績を買われて、東芝ブレイブルーパスに入ってから力をつけた選手だ。
関東大学春季大会で2位となった東海大学は、関東リーグ戦だけでなく、その先の大学選手権初優勝に向けて力をつけていくことができるか。木村季由監督の下、しっかり鍛え上げられている選手が多いだけに、今後も日本代表選手が輩出されていくはずだ。他のリーグ戦の大学としては、まずは打倒・東海大学ということになるだろう。
高校までは「西高東低」が強い傾向にあるラグビー界だが、大学は「東高西低」という時代が続いている。ただ、2020年度に天理大学が大学選手権で優勝するなど、関西の大学が復調の兆しを見せており、関西の大学が常に大学選手権で上位に入るようになれば、おのずと関西大学Aリーグ出身の日本代表選手は増えていくに違いない。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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