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関東大学ラグビー春季大会2022
【ハイライト】早稲田大学 vs. 帝京大学
早大がトライを返したのは、前半23分だった。帝京大のキックをキャッチしてのカウンターアタックからWTB槇瑛人(4年)が右タッチライン際を前進。最後は、左サイドでCTB野中健吾(1年)、HO佐藤健次(2年)、WTB西浦剛臣(2年)とパスが渡ってトライ。24-12と差を詰めた。その後も点の取り合いとなったが、後半、帝京大のHO江良颯(3年)が出場すると、帝京大のセットプレーの優位性がさらに高まる。江良はまるで埼玉ワイルドナイツの堀江翔太のようだった。後半7分、ラインアウトのモールから江良がトライして、スコアは36-19。セットプレー、モールでは帝京大が優位に立ち、早大は相手キックをとってのキックリターンなど、アンストラクチャーからの攻撃に活路を見出だした。
後半12分、両チームの1年生で唯一先発していた早大CTB野中が魅せる。自陣22ラインからの吉村のハイパントをFB小泉怜史(4年)がキャッチしたところから始まった攻撃だった。まずは右オープンで佐藤がゲインし、左に展開すると野中がタックルをかわしながらノールックで内返しのパス。交代出場のPR川サキ(山に竒)太雅(3年)がこのパスを、SH宮尾につないでトライが生まれた。スコアは、38-26。野中はつなぎ役に徹していたが、無理をせずにパスをしてサポート。ブレイクダウンでも仕事をして高いスキルを披露した。
最終スコアは、52-26。明大戦ではモールもまともに組めず、スクラム、ラインアウトも不安定だった帝京大だが、すべての課題を修正し、学生王者の貫禄を見せつけた。完敗の早大は、相良昌彦キャプテンが「力の差があると感じた」と話す通り、多くの局面で圧力を受けた。ここから冬に向けて両チームがどのようにチームを作り上げていくのか。関東大学対抗戦、大学選手権での対決が楽しみだ。同日行われた東海大の明大の試合は、43-24で東海大が勝利。これでAグループ上位陣の順位は、1位東海大(勝ち点18)、2位帝京大(15)、3位明大(13)、4位早大(6)となった。春の優勝をかけた東海大対帝京大の一戦は、6月19日に行われる。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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