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田中 史朗(NECグリーンロケッツ東葛)
残留か昇格か。5か月にわたるシーズンの集大成にして、来季の戦うステージを決する出発点でもある入替戦のキーワードは、“プレッシャー”である。
上位リーグの厳しい戦いを通して培った地力は、そのレベルのゲームを経験していない相手にとっては未知の圧力だ。一方で試合がもつれる展開になれば、背中にのしかかる重圧は挑む側よりも受ける側のほうが大きい。それゆえに序盤の主導権争いでどちらが優位に立てるかが大きな意味を持つ。この日、その大切な時間帯を支配したのは、ディビジョン1で16位のNECグリーンロケッツ東葛だった。
キックオフ直後からSH田中史朗とSOフレッチャー・スミスのHB団を軸にテンポよくボールをさばき、自陣からでも果敢にアタックを仕掛けた。すると開始2分、試合の流れを決定づけるシーンが訪れる。グリーンロケッツがオーバーラップを作った場面での三重ホンダヒートのWTB渡部寛太のプレーがデリバレイト(故意の)ノックオンと判定され、シンビンに。グリーンロケッツは開始早々に相手がひとり少ない状況で10分間を戦う好機をつかんだ。
ディビジョン2の2位ヒートも気迫満点のタックルで食い下がったが、そこからほどない7分、均衡が崩れる。キックレシーブからのカウンターアタックを起点にした中盤の右展開で、WTB後藤輝也が鋭くラインブレイク。裏へ蹴り込んだボールのバウンドにピタリと合わせてみずからキャッチし、インゴールへ飛び込んだ。
さらに14分には敵陣22メートルライン内の左ラインアウトからFWの縦突進で近場を崩し、ゴールラインに接近。最後はNO8ジョージ・リサレ-FLアセリ マシヴォウと強いボールキャリアーがつないで仕留め切る。これでリードは12-0と広がった。
その後もグリーンロケッツは勢いに乗ってたたみかけ、優勢にゲームを進める。細かなミスでいくつかのチャンスを取り切れず、32分にSOジョノ・ランスのPGでヒートに3点を返されたものの、ボールポゼッション、テリトリーのいずれも相手を圧倒。37分にゴール前のFW戦で圧力をかけてペナルティトライを獲得すると、前半終了間際の42分にもラインアウトモールを力強く押し切り、26-3と大きく先行してハーフタイムを迎えた。
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