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ビジターとして敵地に乗り込むブレイブルーパスは、不戦勝を含めた3勝3敗だが、「名門復活」の感を強くしているファンは多いのではないだろうか。
トップリーグで優勝5回の名門は、15年W杯後のラグビーブームの中で惜しくも準優勝に終わって以降、16年度からの順位が9、6、11、(不成立)、9と低迷してきた。
しかし近年はコーチを3名追加するなど強化環境の整備、そしてリクルートの成功により着実に復権の土台を築いてきた。
そして迎えたリーグワンでは、薫田真広GMがシーズン前から「『接点が強い』というブレイブルーパスをもう一度造り上げる」と語っていた通り、縦に強烈な衝突を繰り返していくスタイルを見せた。
攻撃力は増大しており、開幕からの実戦4試合で平均約41得点。第6節埼玉ワイルドナイツ戦では18得点(失点は30)に抑えられて無念を味わったが、前半2点リード(13-11)で折り返し、残り10分まで同点(18-18)の接戦を演じた。
有望な若手が伸び伸びとプレーし、中堅・ベテランを刺激しているように映るのも新生ブレイブルーパスの魅力だ。
東芝ブレイブルーパス東京スターティングメンバー
先発メンバーは同学年である33歳のPR三上正貴とHO森太志のベテランに、10歳下(23歳)で天理大卒のPR小鍜治悠太という組み合わせ。ロックにいたっては19歳のLOワーナー・ディアンズ、33歳のヒュー・パイルという14歳差コンビだ。
そして日本代表の元主将であるリーチ マイケルは開幕節以来のスタメン。前節ワイルドナイツ戦でも機敏な動きを見せていた。
そして東海大の主将だった28歳のFL藤田貴大は、大学同期であり、元ブレイブルーパスのWTB石井魁(シャイニングアークス)とピッチの左右に分かれて戦う。
的確なタックルを連発するバックスでは、スタンドオフとして先発する中尾隼太、ハイタックルによる出場停止もあったジョニー・ファアウリ、そしてフルバックは元早大の桑山聖生が務める。
ブレイブルーパスの課題は反則だろう。ブレイブルーパスは強烈なフィジカリティが強みだが、その反面で反則数が多く、1試合平均が14.6回に上る。
前節ワイルドナイツ戦は被ペナルティ数を9回に抑えることができ、昨季王者と好勝負を演じた。今週末も激しさと規律の両立がポイントだろう。
ブレイブルーパスが激しい「縦」にこだわりを持つチームなら、シャイニングアークスは「横」にこだわりを持つ。2期目を監督として迎えている名将ロブ・ペニーが築いてきたワイドアタック、スペースにボールを運ぶスタイルで、今季2勝目をめざす。
スタイルとスタイルの激突。第7節の好カードに要注目だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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