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東海大学vs.慶應義塾大学
関東大学リーグ戦1位の東海大学にとっては、リーグ最終戦から中4週と大きく間隔が空いて迎えた大学選手権の初戦。しかも試合運びのうまさに定評ある慶應義塾大学が相手とあって、難しい戦いになることは重々想定していたはずだ。「うまくいかないことは絶対にあるし、1点差でも勝てばいいという意識で臨んだ」と木村季由監督は振り返る。
熊谷名物の強い風の影響も重なり、結果的にゲームは見立て通りのタイトな展開になった。関東大学対抗戦では焦点のぼやけた戦いが続いた慶應義塾大学だったが、的を絞って臨んだこの一戦の攻守には、伝統校らしい底力を感じさせた。そして、だからこそ、真っ向勝負で難敵を押し切った勝利は東海大学にとって価値がある。厳しい関門を乗り越えた経験は、間違いなくチームをひと回りたくましくさせるだろう。
立ち上がりの15分を支配したのは、前半風上の東海大学だった。開始4分、19フェイズに渡る連続攻撃で相手ディフェンスを崩し、WTB林隆広がショートサイドを抜け出して先制のトライを挙げる。13分にはラインアウト起点のアタックで前進してゴールラインに迫り、鋭く切れ込んだCTB谷口宜顕が左中間にフィニッシュ。12-0と先行した。
一気に流れが傾きそうな場面だったが、慶應義塾大学もここでよく踏みとどまる。自軍キックオフのボールを確保し、CTB鬼木崇の好ランと好判断のキックから敵陣22メートル線付近まで前進。マイボールラインアウトからLOアイザイア・マプスア→HO原田衛のサインプレーで5メートルの幅を仕留めた。SO中楠一期が難しい角度のゴールを決め、5点差に詰め寄る。
しかし東海大学は続くキックオフからの度重なるピンチをしのいで陣地を盛り返すと、27分にラインアウトモールを20メートル近く一気にドライブしてHO本橋純平が右中間に押さえる。慶應義塾大学も後半35分にSO中楠の左コーナーへのハイパントをFB山田響が見事にジャンピングキャッチしトライを奪ったが、東海大学はすかさず反撃。直後の37分、キックオフのこぼれ球を確保して中央にラックを形成すると、右サイドに回り込んだSO武藤のオフロードからWTB酒井亮治が抜け出し、そのままインゴールへ。
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