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第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会 長崎県予選 決勝
【ハイライト】長崎北陽台 vs. 長崎北
長崎北もここで気持ちを切らさず、ひたむきに体を張って反撃。11分には残り7mのマイボールラインアウトからブラインドサイドを突くサインプレーで前進し、PR徳久千太郎が力で押し切ってゴールラインを超える。これでスコアは21-10に。
勢いに乗る長崎北はさらにその直後にも相手の反則に乗じてゴール前ラインアウトの好機を作り、モールからディフェンスが薄くなったブラインドサイドを的確に攻めてWTB村里浩人が左コーナーにトライ。残り15分で15-21と6点差に詰め寄った。
どちらが次に得点を挙げるかが重要な意味を持つこの場面。ここで底力を見せたのが、3年連続全国大会出場中の北陽台だった。続くキックオフからのディフェンスで圧力をかけてペナルティを取ると、得意のラインアウト起点のアタックでNO8勝矢紘史が豪快に右中間へなだれ込む。難しい角度のゴールをSO大町が成功させ、リードを13点まで広げた。
終盤は雨風の影響もあってお互いミスが重なり、あと一歩を詰めきれないシーンが続いた。長崎北も強い意志を感じさせるプレーで最後まで対抗したが、北陽台の頑健なコンタクトに食い込まれ、思うように陣地を進められない。最後は長崎北のラインアウトが乱れたところを北陽台が奪って蹴り出し、28-15でフルタイムとなった。
試合を通して長崎北の気迫みなぎるプレーに苦しんだ長崎北陽台だったが、要所でギアを上げてスコアを積み上げ、きっちりと勝ちきったのは、確かな地力の証といえるだろう。今後フロントローの要であるHO楳原大志がケガから復帰し、FWの結束力が強まれば、チームはもう一段レベルアップする。細かい部分のプレーと判断の精度を高め、4年連続20回目の出場となる花園で3大会ぶりのベスト8進出を期待したいところだ。
敗れた長崎北の攻守に渡る果敢な姿勢も、強い印象を残した。自分たちの強みを生かしたシンプルなアタックで先手を取り、しぶとく接戦に持ち込む巧みな試合運びの随所に、脈々と受け継がれるチームの伝統は息づいていた。数々の名勝負が繰り広げられてきた長崎県予選決勝にふさわしい、熱のこもった好ゲームだった。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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