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2年連続の出場を目指す目黒学院と、一昨年の代表である東京の激突となった第2地区決勝は、FW戦と堅固な組織防御で上回った目黒学院が38-0の快勝を収めた。
コンタクトにこだわりを持つ両者の対戦らしく、立ち上がりからタイトなフィジカルバトルが繰り広げられる中、先に主導権を握ったのは目黒学院だった。開始早々に自陣22mライン内へ攻め込まれたものの、しっかりと体を張って東京のモールドライブを阻止すると、強いランナーを縦に走り込ませる迫力あるアタックで敵陣ゴール前まで前進。そして10分、相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけ、ラックを乗り越えてボールを奪うや、すかさずFLシオネ・ポルテレが密集脇をねじ込んで先制のトライを刻んだ。
その8分後にはスクラムからのスペシャルプレーでFLポルテレがあざやかに走り抜け、ふたたび右中間にグラウンディング。さらに21分、25分とゴール前でのラインアウトモールを起点に、SH林星安が2つのトライを加える。ほぼ完璧に近い内容でゲームを支配し、26-0と引き離して前半を折り返した。
後半は風上に回った東京が敵陣へ攻め込むシーンが増えたものの、目黒学院の安定感あるチームディフェンスは乱れない。献身的なカバーリングと相手の芯に食い込む鋭いタックルで対抗し、東京の攻撃をたびたび寸断。守勢に回った時間帯をたくましくしのぎ切ると、22分に1年生LO中村つぐ希のオフロードからFLポルテレが抜け出してインゴールに飛び込む。さらに。25分にもラインアウトモールを押し切ってトライを加え、38-0の完封勝利を仕上げた。
戦前はロースコアの接戦を予想する声も多かったこの決勝を会心の試合運びで圧倒できた要因は、焦点だったモールの攻防で優位に立ち、チーム一丸のディフェンスでひたむきに体を張り続けたことだ。精度と飛距離を兼ね備えるSH林、FB鳥居壮基のロングキックを軸に蹴り合いで相手を上回り、多くの時間を敵陣で戦えた点も、大きな勝因だった。逆に東京は序盤のチャンスでモールを押し切れず、攻撃のキーマンであるFB水野拓が前半16分に負傷退場したことも重なって、最後まで決定的な打開策を見出せなかった。
「タックルの好きな選手が多いので、みんな楽しんでディフェンスしていた」と笑顔で振り返ったのは、好タックルと迷いのないボールキャリーでチームを勢いづけた目黒学院のCTB新澤迅太キャプテン。14年連続出場が途切れた1981年度以来、実に41年ぶりとなる都大会連覇で節目の20回目の花園出場を決め、竹内圭介監督は「夢のひとつが叶いました」と充実の表情を浮かべた。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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