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「また井上風雅(いのうえ・ふうが)!」。思わず声が出るトライ量産である。開幕2試合で9トライをあげてきた決定力はこの日も健在だった。10月17日、開幕2連勝の日大は、日大稲城グラウンドで1勝1敗の大東大と戦った。どんよりとした空からは雨が落ちていた。午後1時、大東大の先蹴りで試合は始まった。
シオネ・ハラシリ(日大)
大東大・日下唯志監督は、「リロード(再装填)、ワークレート(仕事量)で相手に勝つ。そして、日大の強みであるフィジカルで負けないこと」と、勝つ条件を語った。リロードとは、ラグビーでは倒れてもすぐに起き上がってディフェンスに行くような動きを指す。その言葉通り前半の大東大は、素早く前に出るタックルで日大のLOテビタ・オト(4年)、NO8シオネ・ハラシリ(4年)ら攻撃のキーマンがスピードに乗る前に止め続けた。
攻めても何度もチャンスを作った。開始早々、WTB鎌田進太郎(4年)が自陣から相手陣22mラインを越えてバウンドしてタッチラインの外に出るキックを見事に決める。8月から世界的に実施されている50:22(フィフティー・トゥエンティトゥ)ルールでのマイボールラインアウトである。直後の前半4分、FB青木拓己(3年)がゴールに迫る。しかし、ここは日大のWTB水間夢翔(3年)にジャッカルされてトライは奪えなかった。
15分、日大にモールを押し込まれてHO井上風雅(2年)にトライを許したが、その後も粘り強くディフェンスし、28分には日大ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、トライまであと一歩に迫った。しかし、最後は密集周辺で倒された選手がほふく前進のように前に出て反則。35分にもゴールに迫りながら、倒れた選手がローリングしながら前進して反則を取られる。倒れされた選手はすみやかにボールを手放さなければいけないルールは知りつつ、気持ちが前に出てしまう反則だった。
後半15分あたりまでは拮抗した展開だったが、ここから日大がディフェンスラインを崩し始める。17分、CTBフレイザー・クワーク(4年)が大東大ゴールラインに迫ると、井上風雅が縦に切れ込んで、この日2つ目のトライ。SH前川李蘭(2年)がゴールも決めて、14-0と突き放す。22分には、ラインアウトからモールを押し込み、井上風雅が3つ目のトライをあげ、その後のピンチは、ハラシリ、水間のジャッカルでしのぎ、失点を許さない。そして、33分、大東大ゴール前のラインアウトから再びモールを押し込むと、一連の流れでできたラックのサイドついてインゴールになだれ込む。ボールをグラウンディングしたのは、またしても井上風雅だった。この日、4トライ目である。これで26-0とした日大は、終了間際にナサニエル・トゥポウ(3年)がダメ押しのトライをあげ、31-0と無失点で3連勝を飾った。
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