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12年前の再現! モルネ・ステインの決勝PGで、世界王者・南アフリカが勝利。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、リベンジならず。
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一スクラムは序盤こそライオンズが優位だったが、PR(1番)ウィン・ジョーンズが背中を痛めたのか、精彩を欠きはじめると南アフリカが盛り返した。南アフリカは負傷欠場のFLピーター ステフ・デュトイ、SHフランソワ・デクラークの穴を、フランコ・モスタート、コーバス・ライナーが埋め、アグレッシブなタックルでライオンズの連続攻撃をしのいだ。
後半の序盤は南アフリカに負の連鎖が起こる。ポラードが7分、13分にPGを外し、大型LOルード・デヤハーが負傷退場してしまう。その直後、ライオンズのハイパントを南アフリカNO8ヤスパー・ヴィザがキャッチミス。ところが、これがノックオンにはならず、跳ねたボールを南アフリカのCTBルカンヨ・アムがキャッチして、FBウィリー・ルルーにつなぐ。ルルーは右タッチライン際を前進してライオンズ陣深く侵入し、WTBチェスリン・コルビにパス。ゴールまで残り30mのあたりで、コルビは独特のステップワークでまずはライオンズのFBリーアム・ウィリアムズをかわすと、次のタックルをハンドオフでかわして走り切り、貴重なトライをあげた。ポラードのゴールも決まって、スコアは、13-10となる。
後半22分、ラッセルがPGを返し、13-13になったところで、南アフリカはHB団を交代させた。SHライナーに代えてハーシェル・ヤンチース(23分)、SOポラードに代えてモルネ・ステイン(24分)が投入されたのだ。ステインがフィールドに現れたとき、ライオンズファンには12年前の悪夢が蘇ったことだろう。2009年のテストマッチ3連戦では南アフリカが先勝し、第2テストが接戦になったとき、途中出場したのが25歳のモルネ・ステインだった。25-25の同点で迎えた試合終了間際、ステインは54mの決勝PGを成功させ、南アフリカが勝ち越しを決めたのだ。
ステインは、2016年以降代表を外れていたが、今シリーズのメンバー入り。この日、3連戦で初めてリザーブ入りしていた。このメンバーを見た時点で、12年前の再現に心躍らせた人は少なくなかっただろう。ステインは26分、あいさつ代わりに約42mのPGを成功させる。狂いのないプレースキックは、自陣では反則ができないというプレッシャーをライオンズに与えただろう。33分、ライオンズのロビー・ヘンショーが抜け出して南アフリカ陣を入り、反則を誘ってラッセルがPGを決め、再び16-16の同点となる。
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