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南アフリカの防御背後へのキックを多用していたライオンズは、後半に入るとモールを押し込んで流れを変える。後半2分、南アフリカのハイタックルで得たPGチャンスを狙わず、タッチに蹴りだしてラインアウトからモールを押し込み、HOルーク・カーワン ディッキーがトライ。12-10と2点差に迫った。後半を通して、ライオンズのモールは南アフリカを苦しめた。
後半9分、南アフリカはデュトイが抜け出し、WTBマカゾレ・マピンピが左タッチライン際を走り、インゴール方向へキック。これをデュトイが真っ先に追い、最後はデクラークがインゴールにボールを押さえる。17-10と突き放したが、トライ後のゴールが決まらず、あと2年を追加できなかったのは南アフリカにとって痛かった。その後、ライオンズはビガーが10分の間に3PGを決め、17-19と逆転する。
その後は、ライオンズが選手層の厚さを見せつける。FLハミッシュ・ワトソン、タイグ・バーンらエネルギッシュな選手、SOオーウェン・ファレル、SHコナー・マレーなどベテラン勢が次々に投入され、終盤の南アフリカの反撃をしのぐと、ファレルが終了間際にPGを追加して、17-22と突き放した。後半はボール保持率60%、地域獲得率64%でライオンズが圧倒した。
南アフリカは主力の疲労とともに失速した。キャプテンのFLシヤ・コリシはじめ先発15名のうち11名が2019年にラグビーワールドカップ(RWC)決勝戦の先発という強力な布陣だったが、裏を返せば、2019年の優勝以降、コロナ禍で国代表を編成できず、テストマッチは7月2日のジョージア戦のみで、新しいメンバーを育てる機会がなかった結果でもある。ライオンズが来てからも、PCR検査の陽性者などが多数出て、全員が揃ったのが数日前という難しい状況だった。ライオンズは、イングランド、ウェールズ、アイルランド、スコットランドの連合軍で、2020年からそれぞれテストマッチを行っている。南アフリカ遠征中に負傷者が出て、コロナ禍もありメンバー変更も多くなったが、テストマッチレベルの経験値は高かった。
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