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――ただ試合直後には涙を流し、ピッチから引き揚げていらっしゃいました。
なんやかんや言っても「最後」でしたね。そもそも最後になったゲームが、文句なしに良いゲームでした。良いゲームを吹いたという安心感、満足感、達成感…。あとは「これが最後なんだ」という寂しさ、空しさ、というのかな。
戸田レフリー
そうして試合後にメインスタンド側に引き上げていったら、スタンドの観客の皆さんが手を「おつかれさまー!」と手を振ってくれたんですね。なかには手作りのボードを持っている方もいて『戸田さん 今までありがとう』と書いてある。プロ野球とかコンサートでよく見るアレですよ。これほど人様に「ありがとう」なんて言われたことは今までないから、そのボードを見た瞬間、ポロポロッと涙が出てきたんです。本当に瞬間的に、でした。
その時の写真がSNSにアップされていたようで、知り合いから「こんな写真があった」と後に送られてきました。その写真を見返して、あまり自分を褒めるタイプではないですが――自分は頑張ったなと思いました。でも、まだまだやれるな、もったいないな、という思いがごちゃ混ぜで…(笑)。まあ、いろいろです。
今後は伝道師として活動?気になる戸田レフリーの今後
――現在赴任している高校(岐阜県立大垣養老高校)にはラグビー部がないそうですが、今後はラグビーとどう関わっていくのですか?
岐阜県ラグビー協会の高校委員長になりました。高校の強化・普及、指導者発掘・育成がメインになりますね。岐阜県の中で頑張ることはもちろんあります。
あとは来年開幕予定の新しいリーグで、レフリー委員会としてTMOなのか何なのか、私をどう使うのかまだ分かりませんが、何かしらの形で貢献できればと思っています。
――講演などを通して、ご自身の経験を伝えていく予定は?
スポーツにはそれぞれの良さがありますが、私は体育教師もやりながら30年近くラグビーに携わってきました。
ライフワークとして続けてきたレフリー、ラグビーのお陰で人生がこんなにもハッピーなので「こんなに素敵なスポーツがあるよ」と還元したいんですね。もちろん皆さんに合うかどうかは別として、ラグビーで育ってきた人間として、大人として、ラグビーで培った思い、経験は伝道していきたいと思います。もし講演の依頼があったら無償でやらせて頂きます!
2時間を超えるロングインタビューは、戸田レフリーの知識、経験、ラグビー愛が散りばめられた濃密な時間となった。ますます意気軒昂、エネルギッシュな戸田レフリーのさらなる活躍を願ってやまない。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツライター。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にはU19日本代表候補に選出される。法政大学大学院日本文学専攻卒。現在は「ラグビーリパブリック」「Number web」等に記事を寄稿。≫Twitterアカウント ≫noteアカウント
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