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両チームのアタックの傾向を見てみると、サントリーが1410回のパス、931回のボールキャリーで72トライを挙げているのに対し、クボタはパス1500、ボールキャリー1049で41トライ。サントリーは1回のボールキャリーあたりのゲインメーターが長く、少ない手数で仕留め切っているのに対し、クボタは小刻みにパスをつなぎフェイズを重ねて攻めるチームであることがうかがえる。実際の試合の印象からも、サントリーはSOバレットの巧みなキックパスやスピードランナーのクリーンブレイクから一発で大きくゲインするシーンが多く、クボタはテンポよく攻撃を継続してチャンスを作り出す場面が目立つ。そうしたスタイルの違いも、この一戦で興味が湧く部分だ。
ちなみに今季クボタが喫した2敗は前述のサントリー戦とトヨタ自動車戦(25-24)でいずれも25点以上失点しており、24失点以内に抑えた試合はすべて勝利している。逆にサントリーが苦戦しているのは、得点が30点台にとどまった時だ。多くのトライが生まれる展開になればサントリー優位、20点前後の勝負になればクボタの流れといえるだろう。
サントリースターティングメンバー
それぞれの懸念材料として、サントリーは対戦予定だったリコーブラックラムズで複数の選手に新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため5月9日の準々決勝が中止になり、4月24日のNECグリーンロケッツとのプレーオフ初戦から中3週でこの準決勝に臨むこととなった。試合勘という点ではマイナスだが、ミルトン・ヘイグ監督が「フレッシュな状態でプレーできるので、最後の20分に差をつけたい」と語ったように、十分なリカバリーと準備の時間ができた側面もある。果たしてその影響がどう出るか。
一方クボタは、今季全9試合に出場し7試合で10番を背負ったオーストラリア代表のSOバーナード・フォーリーが神戸製鋼との準々決勝でレッドカードを受け、3試合の出場停止処分となったのは大きな痛手。もっとも、50分以上を14人で戦いながら神戸製鋼に勝ち切ったことはチームの自信になったはずで、外国人選手枠の関係でベンチスタートが多かったニュージーランド代表48キャップのCTBライアン・クロッティを先発起用できることで、これまでと違ったプラス材料もあるだろう。「スコッド全員がクボタウェイを理解しているし、誰が10番に入ってもしっかりパフォーマンスを発揮してくれると思う」とはフラン・ルディケヘッドコーチ。新たな布陣でどんなプランを携えてこの準決勝に臨んでくるのか、興味は尽きない。
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