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ラグビー コラム 2021年5月14日

初のファイナリスト目指すトヨタ自動車が 5度目の頂点目指すパナソニックに挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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百戦錬磨のロビー・ディーンズ監督は次のように語った。「トヨタ自動車はとても良いチームです。リーグ戦でもサントリー、クボタとタイトな試合をしています。プレースタイルもポジティブでこれまでとは違ったプレーを仕掛けてくるでしょう。最大限のリスペクトを持って80分間を戦い抜きたいです」

トヨタ自動車スターティングメンバー

対するトヨタ自動車はレッドカンファレンス2位(6勝1敗)、準々決勝ではNTTドコモレッドハリケーンズとの死闘を制して勝ち上がってきた。トップリーグでは決勝に進出したことがなく、初のファイナリストとなるためになんとしても勝ちたい試合だ。メンバーは準々決勝から先発で3名の変更がある。怪我のLOマイケル・アラダイスは欠場し、リーグ戦第6節(4月3日)以来の出場となるジェド・ホロウェイが出場する。海外の代表経験者は同時に2人しかフィールドに立てないため、今回はFLマイケル・フーパー(オーストラリア代表)がリザーブにまわり、7番には機動力ある古川聖人。そして、FBは先週のチャーリー・ローレンスがリザーブに回って、ウィリー・ルルー(南アフリカ代表)が先発。大黒柱のNO8キアラン・リード(ニュージーランド代表)は先週に続いて先発しFWを引っ張る。

どんな窮地にも慌てないリードの存在は選手たちを落ち着かせる。キック力とカウンターアタックの能力を併せ持つルルーは自陣ゴールを背負ってのパナソニックのセットプレーを少なくするだろう。サイモン・クロンヘッドコーチは、「毎週末、メンバーを選ぶのが難しい」と嬉しい悲鳴をあげる。チームプランに沿って責任を果たしてくれる選手が多いという意味だ。「パナソニックは素晴らしいシステムが整っている」とし、勝利のキーポイントとして、「攻守に切り換えの早さ」をあげた。守りから攻めへの切り換えが素早いパナソニックに対抗し、彼らのテンポにならないようにプレッシャーをかけ続けること、そして、攻守ともに素早いリアクションで戦うことだ。

両者は今季初めての対戦になるが、昨年は第2節で対戦し、後半20分まで接戦も、終盤にパナソニックが4トライを畳みかけ、40-20で勝利した。ともにバランスのとれたチームだが、強いて言えば、パナソニックはキックを上手く使い、ボールを保持する時間は少なくても勝つチームだ。トヨタ自動車としてはボールの保持はできるはず。多彩な攻撃でパナソニックのディフェンスを崩せるかどうか。そこでミス、反則を繰り返せばパナソニックのペースになる。規律正しくプレーすることが勝利のカギだろう。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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