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ただピッチでは果敢だった。敵陣ゴール前でもらったペナルティからタップで突進したのだ。
「スクラムが回ってPKをもらって、自分の下にボールがあったので拾ってポイントに行ったら前が空いていました。(早大でも1学年上の)齋藤先輩から『行け』という言葉があったので、行こう思いました」
先輩のアシストもあり、トップリーグ初出場、初めてのボールタッチでのトライという快挙となり、仲間に揉みくちゃにされた。
サントリーはさらにここから4連続トライ。そのうちの3トライは、後半21分に途中出場したNZ代表のSO/FBボーデン・バレット。トップリーグでは自身初だった。
「今日は田村熙にゲームタイムを与え、バレットに休んでもらうプランニングでしたが、20分間で3トライというのは、彼のワールドクラスの実力です」(サントリー・ヘイグHC)
最終スコアは94-31となり、WTBテヴィタ・リーは10トライでリーグ戦トライ数1位タイ。ボーデン・バレットは128得点で得点王に輝いた。
大敗を喫したNTTコミュニケーションズ。ハード-ワーカーのFL金正奎共同キャプテンは、プレーオフ初戦へ向けて決意を語った。
「ここでもう一度学びの多い試合ができました。ここで、こうした経験ができたことが大きい。これをどうトーナメントに繋げるかが重要です。チャレンジャーの気持ちを持ち続けてやっていきたいと思います」
NTTコミュニケーションズのプレーオフ初戦の相手はキヤノン。4月25日(日)、東京・江戸川区陸上競技場が舞台だ。
この日、観客8233人が見つめる中でゲーム主将を務めたLOサベッジの声は、心なしか明るかった。1年前は1回目の緊急事態宣言の最中だった。
「今日が初めてサンゴリアスでゲーム主将をした日でした。結果に満足しています。ノンメンバーも含めて良い練習ができました。観客がいっぱいのスタジアムでプレーできることができて幸せです。今日来て頂いた観客の皆さんに感謝したいです」
1位通過のサントリーは、プレーオフ2回戦から登場。4月24日(土)に東京・秩父宮で、NECと豊田自動織機の勝者と激突する。6度目の頂点へ視界は良好だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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