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トップリーグ2021の優勝候補による全勝対決は予想に違わぬ拮抗した展開になった。4月4日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場には、8,523人が集い、今季一番の注目カードに熱い視線を注いだ。午後2時、パナソニック ワイルドナイツSO松田力也のキックオフで激闘の幕が上がった。キックをキャッチして突進した神戸製鋼コベルコスティーラーズFB山中亮平に対し、パナソニックCTBハドレー・パークスが強烈なタックルを見舞う。その後も、一つ一つのタックル、ボール争奪戦での激しいファイトに互いの意地がにじんだ。
ブロディ・レタリック(神戸製鋼)
両者の対戦はトップリーグでは2017年10月以来。神戸製鋼は2003年の勝利以降、チーム名が三洋電機だった時代も含めてパナソニックには勝っていない。勝利への意欲は神戸製鋼のほうが強かっただろう。前半6分、神戸製鋼はSOヘイデン・パーカーがPGを決めて先制すると、自陣からLOブロディ・レタリックを軸に短いパスをつないで前に出る。雨の中でもアグレッシブに攻める姿勢を貫いたわけだ。
パナソニックもFLベン・ガンターが屈強な肉体でジャッカルに成功するなど、神戸製鋼に流れを渡さない。前半16分、パナソニックはスクラムをプッシュして神戸製鋼の反則を誘うと松田がPGを決めて、3-3とする。26分には再びスクラムで圧力をかけてPGチャンスをつかみ、松田が成功して3-6と逆転。しかし、神戸製鋼もすぐにパーカーがPGを返して、6-6。両チーム一歩も引かず前半が終了する。
前半のスクラムはパナソニックが優位に立った。2本のPGはスクラムの反則からだ。逆に神戸製鋼の得点は、パナソニックのブレイクダウン(ボール争奪局面)の反則だった。神戸製鋼がアグレッシブに攻めたからこその得点だろう。
内田啓介(パナソニック)
後半3分、先にトライをとったのは神戸製鋼だった。パナソニック陣深く入ったラインアウトからの攻めでゴール中央に迫り、最後は、パーカーのキックパスをWTB井関信介がキャッチして右コーナーにトライ。パーカーがゴールも決めて、13-6とする。対するパナソニックは11分、神戸製鋼陣に5mほど入った左中間スクラムからSO内田啓介が右サイドを走り抜ける。前半のスクラムの劣勢もあってベテランPR山下裕史を投入し、立て直しを図った神戸製鋼はスクラムに集中。ディフェンスの反応が遅れた。SOの位置にいたパーカーも反応が遅れているのを見て、内田は一気に加速し、そのままインゴールに躍り込んだ。ゴールも決まって、再び13-13の同点となる。
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