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PR稲垣啓太、HO堀江翔太、WTB福岡堅樹ら6人の日本代表勢に、イングランド代表のLOジョージ・クルーズ、ウエールズ代表のCTBハドレー・パークスと、ワールドカップ2019出場選手がずらりと並ぶ布陣はリーグ屈指の豪華さ。24歳のWTB竹山晃暉や23歳のCTBディラン・ライリー、FL/NO8ベン・ガンター、21歳のFL/NO8福井翔大ら日本代表入りを期待される気鋭の若手たちも、非凡なポテンシャルをいかんなく披露している。先発、リザーブを問わず、出てくる選手がことごとく活躍しているのは、チーム状態がいいことの証だ。
パナソニックといえば粘り強く守ってターンオーバーから一気に切り返す堅守速攻のスタイルのイメージが強いが、どのポジションにもスキルの高い選手がそろっており、多彩な仕掛けやオフロードの連続など、どんな形からでもトライを取れる懐の深さもある。3試合トータルのパス回数はNTTドコモの「360」に対し、パナソニックは「526」。守る側にすれば非常に的を絞りづらいチームだけに、どこでプレッシャーを与え、ボール奪取の勝負をかけにいくかが、この試合でのNTTドコモのテーマになるだろう。
スタッツでもうひとつ明白な違いがあるのは、反則数だ。パナソニックの「19」(1試合平均6.3)に対し、NTTドコモは「「41」(同13.6)と倍以上多い。PGによる得点はもちろん、タッチキックで前進したところでのラインアウトを起点にしたアタックはパナソニックの大きな得点源だけに、NTTドコモにとってはペナルティをせずにゲームを進めることも、食らいつくための条件となる。
NTTドコモスターティングメンバー
先発のラインアップを見ると、 NTTドコモは前節から先発が8人入れ替わった。トップリーグデビュー戦でいきなりトライを挙げた南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピはメンバー外となったが、SHペレナラとウエールズ代表3キャップのSOオーウェン・ウィリアムスで組むHB団は、アタック、ゲームメイクともに安定感がある。左足のロングキックが持ち味のFB高野祥太とともに蹴り合いで優位に立ち、FWを効率よく前に出して主導権を握りたいところだ。
一方のパナソニックは右PRが平野翔平からヴァルアサエリ愛、7番が布巻峻介から大西樹に替わっただけで、13人が前節と同じスターティングメンバー。FW、BKどこにも隙が見当たらない顔ぶれだけに、早い段階でスコアを挙げて余裕を持って戦う展開になれば、手がつけられなくなるだろう。
NTTドコモの快進撃は本物か。それともパナソニックが貫禄を示すのか。注目だ。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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