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ハイライト】ヤマハ発動機 vs. リコー|トップリーグ 2021 第2節
16-3で迎えた後半の立ち上がり、ヤマハの反撃を寸断したのは、またしても武井のジャッカルだった。その後、ヤマハのペナルティーからのタッチキックで相手陣深く入ると、10分、ラインアウトからモールを組み、交代出場のWTB山内俊輝も参加して猛プッシュ。一気にインゴールになだれ込んで、武井がボールを押さえた。マット・ルーカスのゴールも決まって、23-3。このトライが勝利を大きく引き寄せた。
しかし、ここからはヤマハの猛反撃が始まる。やや動きの鈍ってきたリコーの防御をフィールド大きく使って揺さぶり、21分、WTBマロ・ツイタマがゴール中央にトライ。24分には、サム・グリーンのキックパスを左タッチライン際にいたツイタマがキャッチしてトライ。左端だったこともあったグリーンのゴールは外れて、23-15の8点差。36分には、自陣からボールをつなぎ続けて、クワッガ・スミスのトライとグリーンのゴールで23-22と1点差に迫ったが、最後は時間切れとなった。
昨年は0-38で完敗した相手に勝ったリコーの神鳥裕之監督は「ヤマハの強いフィジカルに対して、前に出てファイトしてくれた」と選手を称えた。ヤマハの強みであるセットプレー(スクラム、ラインアウト)で互角に対抗し、ブレイクダウン(ボール争奪戦)にも圧力をかけて、11回のターンオーバーに成功。守っては強くヒットするタックルを連発し、全力で戦い抜いた熱い勝利だった。ヤマハのモールを止め切ったことについて、松橋周平キャプテンは「モールのディフェンスはすごい練習してきたし、プレシーズンマッチでもモールでは一度もトライされていない」と胸を張った。初戦のパナソニック戦から一週間で立ち直った修正能力は今後も期待が高まる。
一方、敗れたヤマハの堀川隆延監督兼GMは「前半風上に立っていたのに、敵陣でプレーすることができなかった。前半、反則も多くなった」と、ゲーム運びに反省の弁。「この敗戦から何を学ぶか。しっかりレビューして、NEC戦に向けて修正し、前に進みたい」と次戦を見据えた。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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