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一方の天理大は、拠点の奈良・天理市から上京しての大一番となる。
天理大は8月に新型コロナの集団感染が発生。苦難のシーズンを過ごしたが、関西Aリーグで5連覇を達成し、準々決勝で流通経済大学に78-17と大勝。
1/2 準決勝 明治大学 vs.天理
そして2年前の決勝戦で優勝をさらわれた明治大学に、準決勝で41-15でリベンジした。
明大に17-22で敗れた2年前の舞台は東京・秩父宮ラグビー場。
天理大の強力スクラムを築き上げた岡田明久FWコーチは、2年前のあの日、ロッカールームで引き上げてきた選手に声を掛けたが「目が血走って(声が)届いていなかった」と振り返った。
秩父宮に響き渡る“明治コール”に呑み込まれた苦い記憶。
しかし当時2年生だった主力選手が、いまや頼もしい最上級生となった。
本校執筆時点で出場メンバーは発表されていないが、もちろん全身で闘志を表現するハードタックラー、FL松岡大和キャプテンはピッチに立つだろう。
そして大学屈指のスクラムの猛者であるPR谷口祐一郎、PR小鍛治悠太。決定力に優れるHO佐藤康(3年)は、勝負所のラインアウトでも技術を見せたい。
そしてハーフ団はテンポをコントロールするSH藤原忍、落ち着いたプレーが光るキッカーのSO松永拓朗。
そしてCTBシオサイア・フィフィタは突進力はもちろんパス、キック、判断力にも優れるプレーメイカー。
トンガ出身だが日本語は堪能だ。地道に築いたコミュニケーション能力がプレーの幅を広げたのに違いない。
天理大のSO松永は準決勝後、2年前との違いをこう語った。
「2年前は未熟でした。今日(明大戦)はラインアウトの劣勢を見て、ボールの継続に(作戦を)変えることができました」
明大戦ではPKからのクイックスタートが効果的だったが、これも試合中の判断。戦況を見極め、状況にあった一手を共有し、体現する。
まさに2年前の敗戦を糧にして、天理大はスケールアップしている。
今こそ2年前、1年前の苦い経験を活かし、本拠地・白川グラウンドで積み重ねた努力を存分に見せる時だ。
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