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第2試合では、大阪朝鮮高と桐蔭学園が対戦する。このカードを聞いて第90回大会の準決勝、松島幸太朗(当時、桐蔭学園)の100m独走トライを思い出す人は多いだろう。大阪朝鮮は過去2度ベスト4に進出しているが、いずれも桐蔭学園に敗れている。いわば因縁の対決だが、今大会の大阪朝鮮は前評判は高くなかった。「一戦一戦、一日一日成長している」(権晶秀監督)という言葉通り、勝つたびに力をつけてきた。平均身長175cm、平均体重90kgと大きなチームではないが、準々決勝では、平均身長180cm、平均体重101kgの流経大柏を破った。献身的に体を張る選手が揃うのは強み。FB金昂平(キム・アンピョン)のスピードとステップワークは相手チームにとって脅威だ。
桐蔭学園vs. 御所実業(1/3第2試合)
連覇を狙う桐蔭学園も試合ごとに調子を上げている。準々決勝では試合巧者の御所実業から8トライを奪い、50-7で勝利した。NO8佐藤健次キャプテンの突破力は定評のあるところだが、それ以外の選手の能力も覚醒してきたように見える。藤原秀之監督はPKからの速攻でトライをあげたSH伊藤光希について、「開花しつつある。小西泰聖(現・早稲田大)よりも短距離は速いですよ」と話す。チーム全体についても「3週間でずいぶん変わりました。ここにきて、ゲームを覚えて来たし、大きく見えてきた。成長していると思います」と手ごたえを感じているようだ。佐藤キャプテンが、準々決勝でMVPにあげたPR田中諒汰は、186cm、130kgの体格でモールの軸になる。FW戦で圧力をかけたい。
総合力では桐蔭学園が優位だ。大阪朝鮮としては、守り切るのではなく、いかに攻め切るかが勝利の鍵だ。桐蔭学園が連覇に王手をかけるのか、大阪朝鮮が初の決勝進出を果たすのか。準々決勝からさらに成長を感じる好試合を期待したい。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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