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ラグビー 全国大学選手権 20/21 準々決勝-4
【ハイライト】流通経済大学 vs. 天理大学
流経大が流れを変えられたとしたら、このトライ直後の天理大陣深くのラインアウトだった。このラインアウトを確保してモールで前進するなど、ゴールに迫ることができれば、天理大の勢いを止めることができたかもしれない。しかし、この流経大ボールのラインアウトでは、天理大LO中鹿駿がタイミングよくジャンプしてボールを奪い取り、チャンスの芽を摘んだ。値千金のスチールだった。点差をつけられ、自陣からでも攻めることを余儀なくされた流経大は、ゴールラインを背負った地域でボールを展開。ロングパスを放ったところで、天理大HO佐藤康が狙いすましたインターセプトからトライを追加(スコアは33-0)。前半終了間際にも、タックルでのターンオーバーから松永、フィフィタとつなぎ、CTB市川敬太がアウトサイドへステップを切りながら前に出て、フィフィタにリターンパス。6トライ目を奪い、ほぼ勝敗は決した。
後半も天理大の勢いは止まらず、松永のインゴールへのキックパスから土橋がトライし、フィフィタが個人技で2人のタックラーを引き付けてハビリのトライを導くなど着々と加点。流経大も、WTB中西海斗、HO松田一真、FB河野峻太がトライを返し、持ち味の攻撃力の高さを見せたが、最終スコアは、78-17。思わぬ大差となった。
12/19 流通経済大学 vs. 天理大学
試合後、記者会見に現れた坂本侑翼キャプテンは涙目だった。内山達二監督は涙をこらえながら、「天理のプレッシャーを受け、我々がやろうとするラグビーをさせてもらえなかった」と絞り出した。「でも、学生たちはコロナ禍の苦しい一年を、キャプテンを中心に一丸となって戦い、ここまで来てくれた。大敗はしましたが、力は出し切れたと思います」。タフな連戦を戦いぬいた選手たちをねぎらった。
勝った天理大の松岡大和キャプテンは「準備したことが出せました。流経大の攻撃を止めるために、ディフェンスシステムを見直し、自分たちからプレッシャーを与えていこうとしました」と力強く語った。3年連続の準決勝進出。次の相手は一昨年、決勝で惜敗した明治大だ。「明治はプレッシャーをかけてくると思うので、こちらから体を当てていきたいです」(松岡キャプテン)。残った4チーム中、関西は天理大のみ。今度こそ、打倒関東を果たし、頂点に立つことはできるのだろうか。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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