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ラグビー 関東大学対抗戦2020
【ハイライト】早稲田大学 vs. 明治大学
12/6 早稲田大学 vs. 明治大学
早大は前半終了間際に明大ゴール前でSH小西がラックサイドを突破し、PR小林賢太が好サポートからトライをあげた。しかし、前半だけで4本のラインアウトを失い、ボール争奪戦でも4回のターンオーバーを許して苦しい戦い。後半もディフェンスでは粘ったが、13分、明大WTB齊藤大朗にトライを追加されてしまう。スコアは26-7。
明大は、後半なかばにもスクラムの猛プッシュで早大の反則を誘うなど、圧力を緩めない。25分、早大が明大陣中盤の右中間スクラムから左オープンに展開し、WTB古賀がタックラーを一人かわしてさらにゴールに迫ろうとすると、スクラム最後尾からバッキングアップに走った箸本が猛然とタックルし、これを食い止めた。27分に、早大はSH小西がラックサイドを抜け出してトライをあげるのだが、箸本の凄まじいディフェンスの余韻がフィールドに漂っていた。
スコアは26-14となり、早大にも勝機があるように思われたが。34分、追加点につながる大事なラインアウトを獲得できず、その後のスクラムでも反則をとられて万事休す。明大がPGとトライを加えて、34-12で勝利した。早大の選手には涙も見えたが、この試合にかけた準備は明大が優っていたのかもしれない。
勝利した明治大学
「きょうのメンバー23人だけの勝利ではなく、一緒に練習したB、Cチームみんなの(努力の)成果が出たことが嬉しいです。ラインアウトも、Bチームのメンバーが(早大のラインアウトを)完全コピーというくらいクオリティ高くやってくれたので、安心して戦えました」(箸本龍雅キャプテン)。早大のラインアウトは13本中7本の獲得に終わった。また、箸本キャプテンは「コンタクトの部分で上回った」と勝因を語った。ラン、パス、キックと個々に質の高いスキルを持つ選手たちが「タテの明治」の伝統を体現し、激しくコンタクトし続ける力強い勝利だった。マン・オブ・ザ・マッチは当然のごとく箸本龍雅。188cm、108kgの体格で攻守に体を張り続け、試合直後の会見では「試合に出ていないメンバーを負けた気持ちにさせたくなかった」と仲間を思いやった。心身ともに成長を続けるリーダーが呼び込んだ対抗戦連覇でもあった。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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