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するとオールブラックスは敵陣ゴール前のスクラムから後半31分、途中出場のリーコ・イオアネが右隅にトライ。
直後の34分にも攻守交代直後のディフェンスをWTBバレットが突破し、インゴールへ。
43-5とさらにリードを広げると、ワラビーズの最後の猛攻もWTBバレットが好タックルでトライセーブし、そのままフルタイムを迎えた。
ブレディスローカップ第3戦で2勝1分けとしたニュージーランドは18年連続のカップ保持を決め、試合後にFLケイン主将がブレディスローカップを高々と掲げてみせた。
大会初戦を落とし、ブレディスローカップの奪還に失敗したワラビーズ。
指揮官のデイヴ・レニーHC(ヘッドコーチ)は「彼ら(オールブラックス)はとてもスマートなキッキング・ゲームをするが、今日はそれが効果的だった」とメディアに語った。
またFLマイケル・フーパー主将は「両チームのパフォーマンスには確かに差があった。かなり早い段階で追いかける展開になったと感じました。劣勢になり、プレッシャーもあって、リスクの高いオフロードパスが多くありました」と語り、ハンドリングエラーが敗因の一因と示唆した。
一方でニュージーランドのイアン・フォスターHCは「とても満足しています」と勝利を振り返った。
「ウェリントン(ブレディスローカップ第1戦)では本当にタフなワラビーズで、イーデンパーク(同カップ第2戦)でも同様でした。しかし今日は、彼らは満足する出来には届かなかったでしょう。私たちは必要なときに彼らを抑えることができました」
そんな快勝を演出した一人として、フォスターHCはSOモウンガのゲームマネジメントを「これまで見た彼の試合で最高のうちのひとつ」と賞賛した。
雨中戦ながら高い技術力とハードワークで、高精度のキックゲーム、強力なフォワード戦などから主導権を握ったオールブラックス。
ブレディスローカップの行方は決まったが、全6試合の短期決戦――トライネーションズは開幕したばかりだ。
次戦はシドニーからブリズベンへ南下し、11月7日(土)、サンコープ・スタジアムにて大会第2戦が行われ、ふたたびオーストラリアとニュージーランドが激突する。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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