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激しいコンタクト合戦は後半も続き、緊張感ある戦いになる。13分、明大はCTB森勇登(4年)が激しく前に出てタックルした際に相手の首に手がかかり、イエローカードを受け、シンビン(10分間の一時退場)となる。14人になった明大だが、「シンビンのときの方が、いいディフェンスができていた」(箸本キャプテン)と窮地に集中力が高まる。19分、筑波大は松永、WTB植村陽彦(2年)の快走で明大陣に深く入ったが、ここは明大FB石田吉平(2年)がジャッカル。ピンチを防ぐ。その直後、明大がモールで前進を図ると、筑波大LO中原健太(4年)がボールに絡んでターンオーバー。互いに一歩も譲らない。
次にスコアしたのは明大だった。後半26分、筑波大ゴールラインに迫ったラインアウトからモールを押し込むと、筑波大がモールを引き倒す反則で明大にペナルティートライが与えられた。スコアは、26-12。2トライ、2ゴール差となる。筑波大もあきらめない。直後のラインアウトからのサインプレーで交代出場の飛高昂空(4年)がトライし、26-17と食い下がる。入場制限のなか集った2,259人の観客が固唾を飲んで見守るなか、筑波大の猛攻を明大CTB児玉樹(3年)がジャッカルで寸断すると、筑波大のCTB谷山が好タックを決め観客を沸かせた。
白熱の攻防の末、明大は児玉のロングパスからFL山本龍亮(4年)がトライし、33-17と突き放して勝負を決めた。「タフなゲームを経験できた」(田中澄憲監督)というのは、チーム強化の中では嬉しい言葉だろう。マン・オブ・ザ・マッチは明大のラインアウトの要でディフェンスでも奮闘したLO片倉康瑛(4年)。
筑波大の強力なプレッシャーを受けながら勝利した明大にとっては対抗戦終盤の上位対決に向かって何よりの経験だった。筑波大も勝つチャンスがあったが、勝負所でのパスがつながらず、反則も明大の9に対して17と、やや規律が乱れた。明大は早大、帝京大と並んで3連勝。筑波大は1勝2敗も、昨季ベスト4のうち3チームとの戦いを終えており、今後、勝ち点を伸ばす実力は十分にある。明大は11月1日、慶大と、筑波大は同日、立教大と対戦する。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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