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ラグビー 関東大学対抗戦2020
【ハイライト】早稲田大学 vs. 青山学院大学
12分には早大のミスをついて、FL肘井洲大がゴールに迫り、桑田がトライをあげる。スコアは26-18。後半18分には桑田のPGで、26-21とついに5点差まで詰め寄った。気迫あふれる青学大のチャレンジは、身長169cmの肘井、168cmの中谷という小さなFLコンビ、SO桑田、CTB西野らが中心で、その体を張ったプレーは、久しぶりに生観戦したラグビーファンの心を確実につかんでいた。
しかし、青学大の奮闘もここまで。早大は21分に吉村がトライして、33-21とすると、34分には、交代出場のWTB今駒有喜がトライして40-21と突き放した。今駒は、1987年度に日本選手権を制した早大日本一メンバー今駒憲二さんを父に持つ。一昨年、82シーズンぶりに全国高校大会出場果たした早稲田実業高校ラグビー部のメンバーでもあった。後半35分に入替えで退出したSH小西に代わってSHでもプレーした。この日、早実OBが5名プレーしたが、後半22分、途中出場で初めての公式戦出場を果たしたPR大平純造は、高校時代のFW第三列から大学で第一列に転向し、卒業を一年ずらしてまで赤黒ジャージーを追いかけた熱血漢。5年をかけて悲願を成就させた。今後も楽しみな選手だ。
最終スコアは、47-21。マンオブザマッチは、早大SO吉村紘。一人で17得点をあげ、正確でタイミングのいいパスでトライを導いた。相良南海男監督は課題が多かったことは認めつつこう語った。「失点はディフェンス組織が崩されたものではなかった。むしろ、PGで多く失点したように規律の乱れ。ブレイクダウン周りの反則を多くとられていた」。丸尾崇真キャプテンは「(タックル後の局面で)2人目が青学大のほうが早く仕掛けていた。分かってはいましたが修正できませんでした」と話したが、「今日の試合の良いところ、悪いところを踏まえて来週の試合に生かしたい」と前を向いた。
最終的に早大の快勝ではあったが、むしろ評価を高めたのは青学大かもしれない。その熱い戦いぶりは、ラグビー観戦の楽しさを呼び覚ましてくれるようでもあった。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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