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ホームの大観衆に押されてブルーズもやり返す。
敵陣でのラック中央をNZ代表のPRオファ・トゥウンガファシが突破すると、連続攻撃から最後はSHフィンレー・クリスティが一瞬のスキを突き、ラックサイドにグラウンディング。
SOバレットのコンバージョン成功で、21-17と再逆転した。
チーフスは後半23分に日本のキヤノン、NECにも所属したアダム・トムソンが途中出場してSR100キャップを達成。士気高揚にひと役買うと、後半35分頃から相手反則で敵陣へ侵攻。
ここでアドバンテージ状態となり、悲鳴のような歓声のなかで大外へクロス・フィールドキック。しかし絶好の得点機でノックオンがあり仕留めきれず。
ただ相手反則でさらにチーフスのチャンスは続き、ブルーズは途中出場のハリー・プラマーが、ラックでの反則によりシンビン(10分間の一時退場)に。
4点差を死守したいブルーズは、14人となって絶体絶命。残り時間はあと2分。
逆転に懸けるチーフスはフォワード勝負に出る。リスタートから途中出場のサミソニ・タウケイアフォ、NO8ピタ・ソワクラを壁にぶち当てた。
ところがNO8ソワクラの突進に、ブルーズのLOジョシュア・グッドヒューが絡みついて、チームを救うターンオーバー成功!
双子の弟ジャック(クルセイダーズ)はNZ代表CTBというアスリートが窮地を救い、しのいだブルーズが歓喜の今季4勝目。
一方のチーフスは悪夢の6連敗。またしても接戦をものにできず、7点差以内の敗戦はなんと今季5度目となった。
試合後、チーフスのCTBアントン・レイナートブラウンなどNZ代表経験者が、レフリーに詰め寄る場面も。
実は勝負を分けた最終盤のターンオーバーで、チーフスNO8ソワクラが一瞬インゴールにボールを置いたようにも見えた。
6連敗の無念もあったのだろう。CTBレイナートブラウンは地元メディアに「試合を左右する場面ではTMO(ビデオ判定)が使用されるべきです」と語った。
4勝2敗となり優勝戦線に踏みとどまったブルーズ。
次節はハイランダーズと戦い、バイ・ウィーク(休みの週)を挟み、最終節で暫定1位のクルセイダーズと激突する。
果たして優勝争いの行方は――。コロナ禍を克服してスタートした「アオテアロア」が、ますます面白くなってきた。
【ハイライト】 スーパーラグビー2020 アオテアロア第7節
ブルーズ vs. チーフス
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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