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ラグビー コラム 2020年6月22日

【ハイライト動画あり】王者クルセイダーズ、堂々たる初戦勝利 質の高いラグビーでハリケーンズから5トライ奪う

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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前半14分、SHブリン・ホールがインゴールへ正確なグラバーキック(地面を転がるキック)を蹴り込み、CTBブライドン・エノーがトライを追加。しかし、前半のクルセイダーズは、ボール争奪戦のルールを厳格に適応する「アオテアロア」のレフリングにアジャストできず、オフサイドなどの反則を繰り返してしまう。そのたび、ハリケーンズはSOジャクソン・ガーデンバショップがPGを決め、スコアは拮抗した。

前半30分、ガーデンバショップのドロップゴールが決まり、12-12の同点。盛り上がるスタジアムで王者が素早く動いた。直後のキックオフで、ハリケーンズが配置に着く間も与えないほどの早さでボールを大きく蹴り込んだのだ。ハリケーンズが大きく蹴り返すと、これを待っていたかのように、FBウィル・ジョーダンが自陣から持って走り、ハイパントを上げる。ハリケーンズがキャッチできずにこぼれたボールをPRジョー・ムーディーが拾い上げ、パスを受けたジョーダンがゴールに迫り、タックルをされながらCTBジャック・グッドヒューにオフロードパスをつないで瞬く間にトライをあげた。刻々と変化する状況のなかで全選手が先を読んで機能し、失点直後に突き放す。王者たる理由を見せつけるようなトライだった。

後半4分、チームとして同じ反則を繰り返し、グッドヒューがシンビン(10分間の一時退場)になったが、以降は反則も減り、粘り強いディフェンスで耐えた。23分、ハリケーンズの交代出場HOアサフォ・アウムアのトライ、ガーデンバショップのゴールで25-25の同点に追いつかれたが、慌てることなく、その後は2トライを奪っての快勝だった。

スーパーラグビー2020 アオテアロア 第2節

ハリケーンズ vs クルセイダーズ ハイライト

クルセイダーズは来週、地元クライストチャーチでチーフスを迎え撃つ。連勝で勢いをつけたいところだ。2015年までクルセイダーズでプレーしたダン・カーターがブルーズに加入。まだ出場はないが、ブルーズは連勝スタートを切っている。両チームは第5節(7月11日)、クライストチャーチで顔を合わせる。全勝対決に期待が膨らむが、もし、ダン・カーターが出場したとき、スタジアムはどんな雰囲気になるのだろう。楽しみが幾重にも広がるスーパーラグビー「アオテアロア」である。


文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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