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翌10月20日、大分で開催されたウェールズ対フランスは予想に違わぬ僅差勝負になった。前半は自陣からボールをつないでFLシャルル・オリヴァンがトライするなどフランスペース。このまま勝利かと思われたが、後半7分、19-10とリードしていたフランスが、トライを追加しようとしていたモールの中で、LOセヴァスチャン・ヴァアマイナがウェールズ選手の顔面に肘打ちをしてしまう。映像判定の結果、レッドカード。フランスは残り時間を一人少ない14人で戦うことになった。後半33分まで粘ったのはフランスの潜在能力の高さゆえだろう。最後はウェールズが逆転しベスト4に駒を進めた。2023年のRWCはフランスで行われる。多くの選手が2大会連続で出場するだろう。このチーム、もう一度見ておくべきかもしれない。
僅か1点差での決着となったウェールズ 対 フランス
そして、最後は東京スタジアムで日本代表が南アフリカに挑んだ。試合前の国歌斉唱。スタジアムの大型ビジョンに流大の泣き顔が映し出された時、多くのファンが一緒に涙を流しただろう。日本代表がこの大会で唯一負けた試合として見返すことに抵抗のある人が多いかもしれないが、4連戦を戦い抜き、疲労困憊の選手たちが、頂点に立つことになる南アフリカに果敢に挑んだ戦いは何度でも見るべきだ。前半、スクラムからトライを奪われるのだが、それは自陣からのキックを使った攻撃が上手くいかなかったことで起きたピンチだった。準備通りのプレーで勝った4試合と違い、この試合では意図したプレーが上手くいかない。それでも粘る日本代表を見ていると胸が熱くなる。
終盤、トライを追加しようと連続攻撃を仕掛ける南アフリカを止め続ける日本代表。ついに根負けした南アフリカがボールを外に蹴り出して日本代表の挑戦は終わった。選手たちの表情が清々しい。南アフリカ代表史上初の黒人キャプテン、シヤ・コリシと我らがキャプテン、リーチ マイケルが抱き合って言葉を交わす。何度でも見返そう。ここを越えることが、日本ラグビーの次なる目標なのだから。
抱き合って言葉を交わす両キャプテン、シヤ・コリシ(右)とリーチ マイケル
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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